第一章六道

第2話禁忌


きこきこきここ、、、自転車をならす、音がする


「私は一応、女だよ」と本人が言うので、一応「女」ということにしていて

いつもはからかっているが、今日はそんな気分じゃない


というかーー友人の遺体を見つけて、警察に尋問され、やっと帰ってきたところだ


(、、、早く寝たい)

心が疲れた、体力的にはあまり疲れてないはずなのに、なんだろう

このずしっとくる感じは


「--どうしたのかにゃ、相棒」


その人間は下りてくるーー

「、、、お前さ、「異能」あったよな、あれどうした」

「異能じゃない、よ、あれはーー「本能」って言った方が正しいかもね

それよりどうしたの、あたしの「器官」興味ないっていってたのに」


――ぶっちゃけ興味ない


ーーとある術に適応した「肉体」--いわば、術の「材料」の見立てとしての能力とかいうからだ

「うん、それは間違ってないよーー私の器官は、「術」の見立てを先祖としている

ーーひいては、「術」そのものを原点としているわけだが

まぁ、だからといって私は私だろーー生まれた時からあるし」

本当だーーこいつは、能力を生まれた時から持っている


「--それよりどうしたの、「器官」が目的ってわけでもないんだろ、何の話なんだ」


ー「喪服」「--喪服を用意してくれ」



ーー夜――通夜


、、、何があった、何があったんだよ


白い花を置くーーついでに、手向けに大好きだった、赤い彼岸花を贈る



妻もーー子供もいない、--っていうか地元以外の人が来ていない


(なんで――あっちの人がいないんだ)

就職して、--あっちにいて、「お盆明け」の今日ーー本当ならーー東京あっっちに戻るはずだったのに



ーーーあちらさんが、書かれた弔辞は、妙に義務的で、硬質化している感じがした

それと同時に、手慣れているなと

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吉日奇譚 暇の三 @13222uygu

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