幼馴染と遊園地①
土曜日になった。今日は大星と奏と僕で遊園地に行く日(大星と奏の仲を深めさせる日)だ。それにしても寝るのは気持ちいいなー 寝るのが気持ちいいから、遊園地に行く約束は僕はキャンセルして今日はこのまま家で寝てようか…?
ドタドタッ!! ガチャッ!! バンッ!!
「優也〜!! いつまで寝てるの!! 早く起きて準備して遊園地行こうよ!!」
今日もいつも通りに奏が起こしに来てくれた。面倒見の良い奏は、土日も僕を起こしに来てくれる。何故学校が無い土日も僕を起こしに来てくれるのか奏に聞いてみた所、優也の朝ごはん作らなきゃだし、それに優也にだらしの無い生活は送って欲しくないからという理由らしい。奏には頭が上がらないなー
「な〜奏〜 寝るの気持ち良すぎるからさー今日は僕は遊園地に行かないで家で寝てるわー」
「何言ってるの!! 今日は私達と遊園地に行く約束だったじゃない! ほら、バカな事言ってないで早く準備する!!」
奏はそう言うと僕の部屋から出て行き、リビングへと行った。奏が出て行った後、僕は自分の部屋で出掛ける服に着替え、リビングに向かう。
「〜♪〜♪〜 あっ優也、ちょっと待っててね!今、朝ごはん作ってるからね!」
奏は昨日から、ずっとこんな調子で上機嫌だ。そんなに僕と大星と出掛けるのが楽しみだったのだろうか? もしそうだとしたら、こっちとしても嬉しいな
その後、僕と奏は朝ごはんを済ませ、残りの準備をしていき、家を出た。家に出ると大星が家の前で待っていた。
「おはよう! 優也!奏!」
「おはよう〜!大星!! 楽しみだね〜今日は!!」
「お…おう奏! そうだな!!今日は楽しみだな!」
「奏、大星、早く行かないと、遊園地混むんじゃ無いか?」
「そうだね! そろそろ行こっか!!」
こうして僕達は三人で一緒に電車に乗って遊園地へ向かう。電車は今日は土曜日で皆何処かに出掛けるのか、人が多かった。皆、家でゆっくりしていればいいのに〜 電車に乗って30分後、電車の窓から、大きな観覧車が見えてきた。
「あっ! 大星、優也、遊園地見えてきたよ!」
今日、僕達が行く遊園地には大きな観覧車がある。その観覧車には好きな人と2人きりで乗る事が出来れば、その好きな人とお付き合いをする事が出来ると言われている。
電車から降りて遊園地に着き、僕達は入場チケットを買う。
(優也、優也)ボソボソッ
僕達は入場チケットを買い、遊園地に入った。入った後に、大星に小声で話かけられる。
(どうしたんだ? 大星)
(今日、遊園地で最後に乗る乗り物は観覧車にしたいんだ、観覧車は奏と2人だけで乗りたい 悪いけど観覧車に乗る時だけ撒いてくれないか?)
さすがは大星、この遊園地の観覧者の効果を知ってるんだなー
(わかったよ、最後は大星達と離れるよ)
(ありがとう、優也!!)
「2人共何話してるの?」
「な…何でも無いぞ!! な!優也!」
「おう そうだな」
「ふーん 2人共変なの」
大星とボソボソと話していると、奏が喋りかけてきた。今日は僕にとっては、ただ、遊園地を楽しむのでは無く、大星と奏の仲を深めさせなければならない。 これは頑張らないとな!!
「なー2人共、遊園地に来たことだし、まずはジェットコースターに乗らないか?」
大星と奏の仲をどうやって深めさせるか、考えていると、大星がジェットコースターに乗ろうと言い始めた。王道中の王道だな。
「僕はジェットコースターでもいいぞ」
「うん! 私も賛成!!」
「じゃ、決まりだな、ジェットコースター乗り場に行こうぜ!」
僕達はジェットコースター乗り場に向かい、並んだ。僕達が乗る番が来る。
ジェットコースターは一列に横に2人ずつ乗る事ができて、その列が縦に5つあった。
大星と奏の2人を隣に座らせないとなと考えていると…
「優也! 私、ジェットコースター怖くなってきちゃったから私の隣に来てよ!」
「「へ?」」
なんと、奏が僕を隣に座らせようとしてきた。大星も驚いている。 これはどうしたものか…
「か…奏、ジェットコースターが怖いなら、貧弱な僕より体格の良い大星に頼んだ方がいいんじゃないか…?」
僕にしては、上手く対応できたと思う! 貧弱って自分で言ってて悲しくなってきたけど!!
「そ…それは…その…あっ…ほ…ほらっ!ゆ…優也だって、じ…実はジェットコースターが苦手なんじゃないかなって思って!! だ…だから、優也だって私が隣に居た方が安心できるかなって…思ったから…」
「い…いや、僕はジェットコースターに乗れるし…」
「い…いいから!! 早く乗ってよ! 店員さんが待ってるよ!」
何故か顔が赤くなった奏に急かされ、僕は仕方なく、奏の隣に座る。大星に申し訳ない事したな〜
僕と奏の席は真ん中で、後ろに大星が座っている。
僕達が座る席に安全バーが下がり、いよいよジェットコースターは発進し、上へと登って行く。上へと登る際、奏が僕の手を握ってきた。
「こ…怖いから、手、握らせてよ…」
奏が顔を赤くし、俯きながら言う。僕はそんな奏にドキドキする。ジェットコースターは上へと上りきり、下へ急降下する。
「キャァァァ!!」
奏が僕の手を握りながら、両手を上に上げる。見てる限りだと、全然怖がってるようには見えない。寧ろ楽しんでるように見える。
ジェットコースターは走りきり、ジェットコースター乗り場へと帰る。
「はぁ〜楽しかったね!!優也!」
楽しかったって言っちゃってるし!! 怖くなかったのかよ! 大星に悪い事したじゃないか!!ジェットコースターを降りて、大星の方を見ると、大星は苦笑いをしていた。
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