優しい家族と、たくさんのもふもふに囲まれて。〜異世界で幸せに暮らします〜

第595話変なブレイデル達？

「おにょ？」

　僕はスピードに向かって、モコモコお邪魔魔法をやりました。でもスピードは、さっきのもやもやお邪魔霧魔法みたいに避けちゃったんだ。

「むー！！」

　僕はほっぺをぷっくり。お隣にいたシルフィーとぷにちゃんもぷっくり。ディル達は怒ってくれます。

『あいつ、動くの速い！　もう！！　さっきのブレイデルみたいに、何もしないで動かなければ良いのに！』

『大人しくユーキの魔法受けろ！！』

『ユーキもう１回だよ！　それでダメなら、何回もやれば良いよ。精霊の石は大丈夫そう？』

　僕は精霊の石さんに聞いてみます。そうしたら大丈夫だって。みんなはさっきと一緒、精霊の石さんが何て言ってるか分かんなかったけど、でも僕がお話し出来れば大丈夫だもんね。

「もいっかいでしゅう！　モコモコ～！！」

　でもまたダメでした。またスピードが避けちゃったの。だからリュカに言われた通り、僕は何回もモコモコを出そうとしました。だけどモリオンに呼ばれて、モリオンが見ている方を見たら、ブレイデル達のもやもやが消えそうになってて。えとね、お顔が少し見えてたんだ。

　ディル達がハロルドに、少しの間スピードと戦っててって言って、僕は先にもやもやお邪魔魔法です。とっても忙しい。でもマシロ達のお手伝いだもん、僕頑張る！！　

　ブレイデル達はもやもやお邪魔魔法で動いてなかったから、すぐに魔法を付けられました。

　う～ん、何か変？　ブレイデル強くなってから、ブレイデルはとっても怖いお顔をしてて、それから今も怖いお顔だけど…。なんか変なの。僕が考えてたら、シルフィーが僕のほっぺたをペシペシ叩きました。

『ユーキ、早くハロルドお手伝い。またハロルドやられちゃう』

　わわ！！　大変！　僕は急いでハロルドの方を見ました。僕が魔法をしなかったから、またハロルドの所にいっぱい黒服達が集まって来てたよ。早く魔法やらなくちゃダメダメです。

　えと、スピードの方はモコモコお邪魔魔法。間違わないようにどんどんモコモコを出して、スピード達にくっつけなくちゃ！

「モコモコ～！！　モコモコ～！！」

　僕がモコモコって言うと、ぽん、ぽんってモコモコが出ます。でも全部スピード達は避けちゃって。僕、諦めないもん！　絶対くっ付けるもんね！　ぽん、ぽん！！　

　だんだんとスピード達の周りが、モコモコでいっぱいになってきました。う～、でもなかなかくっ付きません。頑張れモコモコ。付けるぞモコモコ！！　みんなが応援してくれます。

　その時、１人の黒服の片方の足にモコモコがくっ付いたんだ。そうしたらもう片方の足にもモコモコがくっ付いて、そのまま黒服が転びました。べしゃっ！って、お顔から転んだんだよ。

『あのモコモコ、くっ付くやつだから、足でもくっ付ければ、今みたいに他の黒服も転ばせる事が出来るかも。それか動きが遅くなるかも』

『そうだね！　ユーキ、どんどんモコモコ出して。顔じゃなくても良いよ。黒服達の周りにいっぱいモコモコを出すの！』

「うん！！　モコモコ～！！」

　モコモコいっぱい。僕はあっちにモコモコ、こっちにモコモコ。いろんな所にモコモコを出していきます。スピードが向こうに逃げようとしたから、そっちにもいっぱいモコモコを出して。途中で精霊の石さんに大丈夫って聞いたら、まだまだ大丈夫だって。だからどんどんモコモコを出したよ。

　そうしたらスピード達が動かなくなりました。モコモコがいっぱいで、避ける場所がなくなって、動けなくなったんだ。お肩とか頭にモコモコが付いてます。それからお尻にも。ふへへ、うさぎさんみたい。みんなで笑ってたら、スピードがとっても怒ってる顔をしました。

　うさぎさん。だってちょうどお尻の真ん中にモコモコが付いてるんだもん。お洋服が黒だからよく見えるんだよ。

「うさぎしゃん、ふへへ」

『モコモコが長くできて頭に付けたら、もっというさぎになるな』

『キノコ頭じゃない、うさぎに頭なのぉ！』

　うさぎ頭！　やってみたい！　黒服やっつけたら、精霊の石さんにうさぎのお耳みたいにできるか聞いてみよう！

「あ～、ユーキ、それにみんなも、うさぎ頭は良いんだが。向こうにもう１回モヤモヤ魔法をしてくれるか？」

　ハロルドが困ったお顔しながらマシロの方を見てます。霧の精霊お兄さんも僕達の方に来てて、困ったお顔してたよ。マシロの方を見たら、またモヤモヤが薄くなってました。急いでもやもやお邪魔魔法をします。黒服達、マシロ達の攻撃でお洋服がボロボロになってました。

『マシロ、やっちゃえ～！！』

『頑張れアンドレアス！！』

　みんなが応援して、僕はその間にまたスピード達の周りにモコモコを出して。時々ブレイデルをチラチラ見ました。もやもやでお顔は見えないけど。う～ん、やっぱり変。さっきはお顔だけだったけど、今度はお体も変です。マシロ達の攻撃でボロボロだけど、もっとボロボロ？に見えて。

　その時マシロが、黒服を１人やっつけました。バシュッ！！って、おしっぽで吹き飛ばしたんだよ。黒服は向こうの木まで飛ばされて、そのまま倒れて動かなくなりました。僕達はみんなで拍手です。

　そうしたらすぐに、アンドレアスも別の黒服をやっつけました。アンドレアスは剣で黒服を切って、それから土の魔法で黒服を飛ばしたよ。黒服は土に埋まったまま、動かなくなりました。それで体から砂がサラサラ、少し風で飛びました。ん？　体からサラサラ？

『ユーキ、何で時々変なお顔してるの？』

　ホプリンがお話ししてきて。う～ん、僕も分かんないの。変なんだけど何が変なのか分かんなくて、変じゃないかもしれないし。そうお話ししたら、みんなも考えちゃいました。その時。

「これは何だ？」

　いきなり知らない人のお声が聞こえました。