第408話ただいまでしゅ! ルディー帰らないで!!

 だんだんと真っ白が薄くなってきました。それからキラキラはもうなくなっちゃって、でも急にパアァァァ!! 明るくなったから僕お目々を瞑ります。


「ルディー、いるでしゅか!?」


「大丈夫ちゃんと隣にいるよ。手も繋いでるでしょう。僕が目を開けて良いって言ったらあけていいからね」


 ルディーが良いよって言うまでお目々瞑ったまま歩きました。お目々瞑ってるのに、すたすた歩けちゃうの。とっても不思議です。

 でも歩いたのはちょっとだけ、少ししてルディーが止まるよって。それからお目々開けて良いって言いました。


 そっと開けて周りを見ます。でも何にもありません。


「とうしゃんも、マシロも、みんないないでしゅう」


「まって…ほら、まただんだんと周りが」


 また白いのが薄くなっていきます。そしたら前の方に、黒とか白とか、緑やピンク、何かいろんな色が見えてきて、僕はギュっとルディーのお手々を握ります。


「怖がらなくて大丈夫だよ。ほら、もう見えてくるよ」


 もっと白いのが消えます。色がもっとしっかり見えてきて…あっ!! 目の前にお父さん達が並んでました。僕はお手々を振りながら、


「とうしゃん!! かあしゃん!! マシロ!! ただいまでしゅう!!」


 僕がそう言ったら、お父さんニコって笑ったんだけど、すぐに怖いお顔になって剣を持ちました。それで怒鳴ったの。


「お前は誰だ!!」

 

 お父さんルディーだよ? 僕これからご紹介するよ。何でお父さん怒ってるの? 

 お父さんのことをマシロやエシェットが止めます。あれ? お母さんも魔力石持って、ルディーの方怖いお顔して見てる。お母さんのことはルトブルや妖精の王様が止めてました。


 僕はルディーのお手々を握ったまんま。お父さん達の方に歩いて行こうとしました。でもルディー全然歩いてくれません。早く行こうって言ってるのに、またさっきみたいに、バイバイだって行って、帰ろうとするんだよ。

 もう、僕も怒っちゃうよ。僕はぐいぐいルディーのことを引っ張ります。


 僕を見てたディル達が僕達の所に来て、一緒にルディーのこと引っ張ったり、後ろから押してくれたり。


「みんながんばるでしゅう!!」


「引っ張れぇ~!!」


『押してぇ~』


「ちょっと、ちょっと!」


 そしたら怒ってたお父さんや、怖いお顔してたお母さんが、変なお顔になってそれから困ったお顔になりました。

 

 マシロやエシェットが僕達の所に来て、ルディーはもう帰らないといけない時間だから、押すのも引っ張るのもやめろって言いました。何で? だって僕ルディーのことご紹介したいの。


「(ここはなんとか)主、この者は、ここには長くいられないのだ。ここに居るとどんどん具合が悪くなってしまう。そういう体なのだ」


「そうだぞ。だから早く自分の居る所へ、帰らないといけない。皆、具合が悪くなるのは嫌であろう?」


 僕達は考えてから、みんなでうんって頷きます。でも、僕みんなにお元気にしてもらった事とかも、お話したかったの。それでうさぎさん達のこともお話して、いろんなお話するのに、ルディーも一緒にお話した方が楽しいよ?


 ルディーが僕の頭をなでなでしました。それからしゃがんで、僕のお目々と自分のお目々を合わせます。


「ユーキ、僕はここに居られないけど、いつもユーキのことを、あのユーキがいた場所から見てるよ。それでユーキが笑っていられるように、ユーキみたいに応援してるから。僕はいつも君と一緒に居る」


「また、あしょびいくでしゅ。こんどはとうしゃんと、かあしゃんと、マシロとみ~んなであしょびいくでしゅ」


 そう言ったらちょっと困ったお顔したルディー。でもすぐにニコッて笑って、いつかねって。

僕はちょっとブーブーです。確かルディー達じゃないと、あそこに遊びに行けないんでしょう? だったらすぐに迎えに来て!

 ルディーはまた困ったお顔して、それで僕のことを抱きしめてくれます。それから小さなお声で、何か言いました。


「今度こそ必ず…」


 聞こえなかったよ。なんて言ったの?


 聞こうとしたけど、すぐにルディーは離れて、白い丸の前に立っちゃいました。みんなで並んでルディーにバイバイしながらさよならします。

 それからエシェット達がルディーに、しっかりしろとか、何やっていたんだとか、文句をいっぱい言って。ルディーがハイハイって言ったら、もっと怒られてました。


「ああ、もう! 僕行くから! ユーキじゃあね!」


 白い丸の中に走りながら入って行きます。ルディーが中に入るとすぐに白い丸は消えちゃいました。あ~あ、帰っちゃった。そう思ってたら、後ろの方から走ってくる足音が。この足音はお父さん達の足音です。僕分かるんだ。


 僕が後ろ向いたらガバッて、お涙がぽろぽろのお母さんが、僕のことを抱きしめました。それから僕とお母さんをお父さんが2人一緒に抱きしめました。


「何処に行ってたの、お母さんとっても心配したわ」


「良く無事で、元気になって帰って来てくれて良かった」


 僕いろいろお話しようと思ったんだけど、お父さんはすぐにハロルド達の所に行かないといけないからって、僕の頭なでなでして、エシェットにルディーのことは後で詳しく聞くって。それから、今妖精の国がどうなってるかお話聞きながら、玄関ホールから出て行っちゃいました。


 お母さんは僕のお体を見た後、お顔をじっと見て、うんうんって。それから妖精の王様やマシロにお話聞くって、僕達は動かないでじっとしててって言って、そのままお話始めちゃいました。う~ん、ぜんぜんお話できません。


 くろにゃんが壁の方に歩いて行って、何かを咥えて戻って来ました。僕がお手々を出したら、その上に咥えてきたもの乗っけてくれます。


「ピュイちゃん!!」


 すうすう寝てるピュイちゃんでした。とっても苦しそうにしてたピュイちゃん、今は全然苦しそうじゃありません。


「ディルが治したんだ。もう少し寝れば、いつもの元気なピュイになるぞ」


 僕はピュイちゃんのこと抱きしめながら、ディルを呼んでディルも抱きしめます。それからディルにありがとうしました。お父さんもお元気、お父さんと行っちゃったお兄ちゃんの大けがもディルが治してくれたから、お兄ちゃんもお元気。みんなお元気、良かったぁ。ありがとうディル!!


 僕達の周りにみんなが集まって、今までどこに居たのか聞いてきました。

 アシュリーさんもルーカスさんも静かにって言ってたもんね。僕達はその場に座って、お母さん達みたいにお話始めました。


 僕が居たところは真っ白な所で、それからルディーの他に、お父さんに似てるルーカスさんや、お母さんみたいに綺麗なアシュリーさんがいて。どんどんお話していきます。

 でもお話することたくさんあるのに、すぐにルディーのお毛々の話になっちゃいました。そう言えばルディーのお毛々、お星さまのまんまだったね。さらさらお毛々にしないのかな?


 僕はキノコ頭やコケ頭のお話しました。そしたらみんな見てみたかったって。う~ん、誰かのお毛々でおんなじお毛々に出来ないかな? 僕はみんなのこと見て、お母さんとお話してるマシロ達見て。それから自分のお毛々を触ります。


 あのキノコ頭、他にも何かに似てる気がする。僕はお尻をすりすり触りながら考えました。玄関ホールボロボロで、座ってるとゴロゴロ石が痛いの。

 すりすりしてる僕を見て、キミルが綿出してくれるって言いました。すぐに僕達の周りは綿だらけ。モコモコ、ふわふわ。うん、もう痛くありません。


「ありがとでしゅ!」


 わたぼこにホプリンが飛び込んで、お顔出したホプリンのお顔がわたぼこだらけに。わたぼこ攻撃されてないのに、されたみたいになっちゃいました。なんか面白い。僕も。

 みんなでわたぼこにお顔入れました。

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