第262話かわいい可愛い魚さん?
「ごめんしゃい」
僕昨日1日ずっと、お父さん達と一緒に居たから、スージーちゃんとアーク君と遊ぶお約束してたのに、お約束やぶっちゃいました。だから今日は朝からスージーちゃん達の所に行ってごめんなさいです。
「大丈夫。お母さんがとっても大切なお話してるって言ってた。今日は遊べる?」
「うん!!」
僕はスージーちゃん達にディル達の紹介します。2人ともディル達見てとっても喜んでました。今日はね特別。ディル達変身やめて、ちゃんと姿が見えるようになってます。スージーちゃんは2人が変身するの見るのが好きみたい。アーク君はキミルが好きみたいで、ずっとキミルのこと追いかけてます。
「助けて~」
キミルがジョシュアお兄ちゃんの頭の上に乗っかりました。
「あらあらごめんなさいね。アークが持ってる大好きな小さなぬいぐるみに似てるから、気に入っちゃったみたいね」
アイリーンさんがおもちゃ箱の中から、もふもふの小さい丸い形したも物出しました。僕に渡してくれて、よく見たらお目々が付いてます。あれ? そういえばキミルに初めて会ったとき、キミルおんなじ姿してなかった?
この小さいもふもふは海の中にいる生き物で、海の中をふわふわふわふわ移動するんだって。名前はプルカ。真っ白いプルカも居るし、ピンクのプルカも青色のプルカも居て、何十種類も居るんだって。
泳いでるとこ見てみたいなぁ。僕がそう言ったら、アイリーンさんがお城のお外に連れて行ってくれるって言いました。街の中なら歩いても大丈夫だからって。やったぁ!!
みんなでぞろぞろお外に出ます。お父さんも一緒だよ。キミルはお兄ちゃんの頭に乗ったまんまです。
「すみませんわがまま言って」
「いいえ。兄のしたことを考えれば。本当にすみませんでした。今回のことが終わったらもう1度ゆっくり、兄を叱る時間を設けますから。全く小さな子に何をしているのか…」
アイリーンさん少しの間、ぶつぶつ何か言ってました。それ見てお父さんが困ったお顔して笑ってたよ。
僕ねお外に出てビックリしました。僕達が居る所や歩く所、お家がある所は僕達の街と変わらないけど、でも周りが全部海でした。僕ここに来たときに結界の周りの海が無くなっちゃったでしょう。だから周りも海じゃなくなっちゃったと思ってたの。横も前も頭の上も全部海でした。
それでねそれでね、周りをお魚さんがたくさん泳いでます。可愛いお魚さんも居るし、カッコいいお魚さんも居るし、大きな大きなお魚さんも居ます。
「よく見える所に行きましょう」
アイリーンさんの後ろにくっついて、どんどん歩いて行きます。そしたら黄色のハートの形したお花が咲いてて、これは海の中にしか咲かないお花って教えてもらいました。海のあの塩っ辛いお水でしか元気に咲かないんだって。
「ねぇねぇ、キミルが摘めば、お家にある花みたいに、元気なままかもしれないよ」
モリオンがそう言ったら、キミルがお花摘もうとしました。
「キミルまってでしゅ。えと、このお花もらってもいいでしゅか?」
「良いけれど、すぐ枯れちゃわないかしら…。ここの花は全部摘んでも大丈夫よ」
キミルが咲いてたお花全部摘みます。それでいつもみたいにモリオンに持ってもらいました。枯れないと良いなぁ。もし枯れちゃったら寂しいし、枯れちゃう前にお母さんに見せてあげたいな。
またどんどん歩いて、目の前に大きな海の壁しかない所につきました。お家とかないから、お魚さんが隠れちゃわなくて、とっても面白いです。
アーク君はずっと壁の所行ったり来たり走ってて、スージーちゃんはお魚さんじゃなくて、ゆらゆら揺れてる草みたいの見てました。
「スージーは相変わらずね。海藻の何が面白いのかしら」
僕達はプルカが泳いでくるのじっと待ちます。ずっと待ってても僕平気だよ。だってプルカじゃないお魚さんたくさんで面白いもん。それにたまに貝も泳いでくるんだよ。貝って泳ぐんだね。
「あっ、ユーキちゃん、向こう見てみて」
少ししてアイリーンさんが右の方指差しました。いろいろな色がついてる大きな塊がこっちに近づいてきました。僕が見たいの小さいもふもふのプルカだよ? じぃ~と塊見ます。
「ふおおおおお!!」
大きな塊だと思ってたの、いろいろな色のプルカがいっぱい集まってる塊でした。塊の周りにもプルカがいて、ふわふわふわふわ揺れながら泳いできます。キミルみたいにとっても可愛いです。
「かわいいでしゅう!!」
「あたしはピンクのプルカすき」
「プープー」
アーク君はプルカのことプーッて言うんだって。それから青色のプルカが好きって教えてくれました。
僕は何色が良いかなぁ。う~ん。真っ白も好きだけど、緑色もオレンジ色も好き。黄色も好きだし、黒も赤も、うん全部好き。パスミルみたいだね。
いつもはもっと小さい塊で泳いでるけど、今日はとっても大きい塊で泳いでて珍しいってアイリーンが言ってました。
ふわふわ泳いでたプルカ達、僕達の前でちょっと止まったあと、また泳いで行っちゃいました。プルカは人魚さんととっても仲良しなんだって。一緒に泳いだりするの。僕は泳げないけど、大きくなって泳げるようになったら、一緒に泳いでみたいなぁ。
プルカにバイバイしてお城に戻ります。お城に戻ったらマシロが来てました。マシロと遊んでるうちに、お父さんがじぃじの所に戻って、お母さんが交代で僕のところに来てくれました。後で少しだけエシェット達も来てくれるって。僕すぐにお花見せたよ。まだまだお花元気です。
このまま悪い人魚さんも悪い魔獣さんも来ないと良いのに。そしたらみんな戦わなくても良いでしょう。お怪我もしないし。うん。それが良いよ。悪い人魚さん、来ないでください。
(***)
岩の影に隠れ結界の所、そこに何人かの人影が見える。何重にも結界が張ってあるため、顔はよく見えなかったが、水晶を通して見れば、虹色の魔力が分かり、あの子供だと確信が持てた。
やはりあの子供はここに居たか。あのクラーケンの攻撃でうまく子供を海に落としたまでは良かったが、そのあと奴の魔力を感じ、気がつけば子供は姿を消していた。
「ジュード様、確認はできましたか。こちらは確認終わりました」
「そうか。私の方も確認は終わりだ。戻るぞ」
「はい」
セオドリアが戻ってきたため、私達が落としたサンゴの街へ戻る。
「どうでしたか。やはり虹色の子供はあそこに」
「ああ。間違いない。あの虹色の魔力を見間違うはずがない」
子供を逃したとき、もう1つ予定外のことが起こった。クラーケンの攻撃で最初の陸への攻撃を成功させようと思っていたが、まさかあの人間達があそこまで強いとは思っていなかった。戦う前と戦っている最中では魔力の量が全然違い、魔力阻害をかけていたが、それでもあの力だ。本当にあれは人間か?
街に戻りこれからのことを考える。ようやくここまで来たのだ。絶対に失敗などさせない。それにはまず、完璧な作戦を立てねば。
子供の力を手に入れられていない今、攻撃するのなら陸の方が良いだろう。陸の人間は海での戦いに慣れていない。
が、そうなると問題になるのはやはり、あの馬鹿みたいな力を持つ人間達か。どうにかもう少し力を蓄え、攻撃するしかないが。
「ジュード様、結界の力はいつもと同じだったのですか?」
「ああ、あの子供の力を使っていたならば、もっと頑丈な結界が張られているはずだ。あの結界はいつもと同じ物だった」
まぁ奴らの結界がいつも通りだったとしても、今の俺達の力では破ることはできない。それだけアルマンドの力は強いのだ。そのために陸からと思っているのだが。
「何故子供の力を使わないのでしょう。そのために連れてきたのでは?」
「あいつの考えはよく分からん。だからイライラする」
考えれば考える程、計画が立てられない。はぁ。溜め息を吐きながら、目の前に横たわっているクラーケンの死体を見る。陸に連れて行ったクラーケンが1匹力尽きたのだ。魔獣の補充もしなければ。
全く問題だらけだ。私が一族の王になったのだから、海も陸も私達一族の物にしようと今まで長い年月をかけて、ここまでやって来たのだ。もうすぐ全てが手に入るというところで、立ち往生してしまっている。
1度頭の中をスッキリさせるために、狩にでも行くか。魔力の補給もかねて。
私は杖を持ち、あの国とは反対の方へと狩に出かける。もうすぐ私がアレを探しに行かせた者達が帰ってくるはずだ。その結果でこれからのことを決めるのも良いだろう。
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