第188話楽しいお仕置きがいっぱい
「お、おい!こんなことして良いと思ってるのか?!」
「大丈夫だ。どうせこれが終わったとき、お前達は覚えていないか、それとも気がおかしくなったと言われるだけだ。気にせずどんどん飛んでユーキ達を喜ばせろ。」
騒いでる悪い騎士さんをエシェットがつまみ上げて、またぽ~んってマシロの方に投げます。今飛んでる騎士さんはたくさん。あと3人悪い騎士さん残ってます。全員飛ばせないかな?僕がそう思ってたらシルフィーがエシェットに叫びました。
「全部飛ばせる?全部飛んだらきっと面白い!!」
みんなもウンウンって。みんなおんなじ事思ってたみたい。全部がポンポン飛んだらきっと面白いはずだもんね。エシェットはシルフィーのお話し聞いてポンポン跳ねるクッション結界に近づきました。それで前よりも大きなクッション結界作りました。
「さて、これで大丈夫だろう。ユーキ、最後の3人は全員いっぺんに飛ばすぞ!」
いっぺん?なんか面白そう!エシェットは2人を右手で一緒に持ち上げて、残りの1人を左手で持ちました。それでみんな一緒にマシロの方に投げたんだ。マシロは騎士さん達をさっきまでみたいに蹴らないで、風の魔法でエシェットの方に飛ばしました。飛ばしたんだけどなんかね、クルクル騎士さん達回ってます。
「竜巻のようにしてみたのだ。これも面白いだろう?」
うんこれも面白い!でも凄い風。妖精さん達が飛ばされないようにくろにゃんの毛に捕まったから、くろにゃんが痛いって怒ってます。ディル達はルトブルに捕まりました。そんな事してたら、ぽわぁぁぁって何かが光ったよ。
あのね竜巻が近づいて来たら、エシェットがドラゴンの姿に変身したの。
「ふおお!!ドラゴンでしゅ!ドラゴンエシェットでしゅう!!」
僕はとっても嬉しくて、頭の上で拍手しました。ディル達や妖精さん達も捕まってるから拍手出来ないけど、とっても喜んでます。
「うわぁ、ドラゴンだ!初めて見た!」
「カッコいい!!」
「この風は髪の毛とか洋服が崩れちゃうけど、ドラゴン見れたからいいかしら。」
「うん。そうね!」
僕達の声聞いて、エシェットがふふんってお胸張りました。それでしっぽブンブンしてます。でも竜巻がエシェットの前まで来たとき、ブンブンしてたしっぽがピタッって止まりました。
「よし、よく見ていろ!」
エシェットはそう言って、竜巻の中クルクル回ってる騎士さん達を、しっぽで順番に飛ばし始めたんだ。ぽーん! ぽーん! ぽーん! エシェット全部ちゃんと当てたんだよ。ぐるぐる回ってるのに凄い凄い!
悪い騎士さん達みんな上に行ったりしたに行ったり。全員飛んでます。
「ぎゃあぁぁぁぁぁ!!」
「わあぁぁぁぁぁ!!」
「助けてくれぇぇぇ!!」
みんな叫んでます。妖精さん達面白いって言って、いろんなこと真似したんだよ。
最初に竜巻がなくなって風が吹かなくなったから、くろにゃんに捕まってた妖精さん達がくろにゃんから離れて、騎士さん達真似して机の上で行ったりしたに行ったり。飛ぶだけじゃないんだよ。くるんってでんぐり返ししたり、2人でお手て繋いで飛びながら両手広げてポーズしたり、それからちゃんとに叫び声も真似します。
なんか楽しそう。騎士さん達がボヨンボヨンしてるクッション結界も楽しそうだし、妖精さん達がポーズしてるのもやってみたい。エシェットあのクッション結界、僕にも作ってくれないかな。お外とかお遊びのお部屋で遊ぶの。
みんなで喜んでたらいつの間にか、騎士さん達が静かになっちゃってました。あれ?どうしたんだろう?よく見たら騎士さん達、お目々開いてるのに何にも見てないみたい?
「こえしないでしゅ。」
「あらあら、気を失っちゃったのね。やあね、ずいぶん貧弱なのね。」
「本当ですね奥様。悪さをするくらいならば、もう少しタフでなくては。」
気を失っちゃったの?でも、お目々開いてるよ?
「かあしゃん。おめめあいてるでしゅよ。」
「ああいう人達もたまにいるのよ。さあ、そろそろお仕置きは終わりかしら。みんな、ユーキちゃん達も妖精さんも、お仕置きは終わりよ。お家に帰りましょう。お家でもう1度暖かいミルクいただきましょうね。エシェット、終わりよ!」
みんなでお仕置き見てたら、お菓子もミルクも、妖精さん達がみんな食べちゃって、1回アメリアお家に取りに行ってくれたんだよ。
エシェットがお母さんが終わりって言ったから、クッション結界を消しました。騎士さん達上にいるけどいいの?
「大丈夫だ。奴らのも結界を張ってあるからな。落ちても怪我はしない。」
エシェットがそう言ったとき、どんどん騎士さん達が落ちてきました。ドォ~んっ!!バァ~んっ!!凄い音がして騎士さん達が地面に埋まりました。地面からお尻だけ出してる騎士さんもいたよ。妖精さん達が最後にって言って、みんなで騎士さん達のこと足で蹴ってました。
それが終わって、みんなでお家に帰ります。お父さん達はなんかやる事があるんだって。だから僕達と妖精さん、お母さんとアメリアとお家に帰りました。
お家に帰ったら、エシェットにクッション結界お願いしてみよう!
(ウイリアム視点)
は?何だこれは?上へ下へと移動する騎士達を見て、私だけではなく、ハロルド達も、オリバー達も固まっている。
私がユーキや妖精達の願いを聞いたのには理由がある。
アシェルが妖精達の話しを聞き私に言ったこと。妖精達の願いを聞き入れなければ、このままきっと家に居続けるのではないかと言ってきたからだ。
あり得ない話ではなかった。ユーキ達と仲良しになっている妖精達。毎日遊びに来たいと言っていたのも知っていた。悪戯好きの妖精達が家に居座ってみろ。考えただけでも恐ろしい。それに確かに妖精達の言う通り、被害を受けたのは妖精だ。仕置きをする権利はある。
仕方なく仕置きをすることは許し、エシェット達と話しをしたのだが。
エシェットはこんな内容の話しはしなかった。魔獣のように飛ばして終わりというわけにはいかないと説明する私に、すぐにエシェットは何かを思いつきマシロに相談を始めたのだ。それを聞き、マシロはニヤッとした顔をして頷いた。
「それならば主達も喜ぶだろう。」
「おい。何を考えたんだ。ちゃんとに説明しないか。」
エシェットは結界を張り、騎士達を飛ばすのはその結界の中だけだ。そして結界にぶつかり落ちてきた騎士をまた飛ばす。それしか言わなかったのだ。絶対におかしいと思いしつこく聞いたがそれ以上は言わなかった。
しかもそれだけではなかった。エシェットには珍しく、ちゃんと街の住人に見つからないようにやるとまで言ってきたのだ。
あの何も考えないエシェットがだぞ。不安ばかりが募ったが、これ以上は聞いてもダメだと諦めるしかなかった。
なかった。なかったが。それにしてもこれは何だ?あんな結界見たことない。そういえばこの前も変な結界を張っていたな。
後ろでユーキ達が喜ぶ声が聞こえる。振り返ればユーキは頭の上で拍手をしていた。その後、お菓子を食べミルクを飲み、騎士達を見るユーキ達。極め付けはあの竜巻とドラゴンエシェットによる連携だ。もう、ユーキ達の喜びは最高潮に達していた。
騎士達が気を失い、ようやくお仕置きが終わると、あのおかしなスキップをしながらユーキ達は家へと帰って行った。
下に落ちてきて地面に埋まった騎士達を皆で引き抜く。
「兄貴。兄貴は毎日こんなの見てるのか?」
「バカ言うな。そんな訳ないだろう。私も初めて見たんだ。まさかこんなお仕置きだとは思わなかった。」
「俺達、かなり危ないことしたんだな。」
「ああ、そうだな。これからは気を付けろよ。」
まあ、もう遅いと思うが。ユーキはハロルドを完全に敵としてみてしまっている。どうにか早く仲直りさせないと、妖精達の話が落ち着いたら、標的はハロルド達に移るぞ。しかもオリビアが明るい時は突撃して良いと言ったしな。
全ての騎士を引き抜き、アシェルに荷台を持ってきてもらい、その上に全員を乗せる。
「団長、我々はこのバカ達を牢へ戻して、そのまま家へ帰ります。」
「ああ、そうしてくれ。」
「起きたらどうしますか?きっと今日の話しをしますよ。」
「少し様子を見よう。あまりにも周りの奴らも話を信じるようなら、エシェットの持っている木の実で記憶を消せばいい。あれは3日くらいの記憶なら消せるらしいからな。」
オリバー達が広場から出て行き、穴の空いた広場を見る。ちょうどいいから訓練で穴埋めでもさせよう。
「兄貴行くぞ!」
「ああ。」
皆で歩き出す。やっと妖精誘拐事件は片が付きそうだ。ふぅ。
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