第174話たくさんの妖精さん
みんなで妖精さんのところに行きます。妖精さん、いつもどこに集まってるのかな?僕カージナルでディルとリュカ以外見たことないんだ。僕が見たことあるのは、お店通りでお店とお店の間にいるねこさん。いつも集まってるんだよ。この前は赤ちゃんがいたの。とっても可愛かった!
お店通りまで行って、そこも通り過ぎました。あれ?門の所まで来ちゃった。門のお外に出るの?だって街から出れないんでしょう?そう思ってたら、門の所を右に曲がりました。
「本当はボク達狭い所通れるから、この道は通らないんだ。でも、今日はユーキ達が居るからこっちから行くの。」
「ユーキでも狭くて通れないとこ行くんだぞ。」
そうなんだ。僕が無理ならエシェットとかルトブル絶対無理だね。ルトブルこの前お滑り台のトンネル潜ってて頭ぶつけちゃったの。ゴツンッ!!って凄い音したんだ。僕もディル達もみんな頭押さえてしゃがんじゃったよ。ルトブルは痛いって言わなかったけど、僕達が頭押さえたまま痛い痛いって言ってたら、ジョシュアお兄ちゃん凄く笑ったの。だからお顔雪だるましてもらいました。
お顔雪だるま。雪少なくなってきちゃったからもうすぐできなくなっちゃう。モリオンに雪しまって貰ったけど、それは遊ぶやつだからだめ。別のでやってもらわなきゃ。今度エシェットと相談しなくちゃね。
どんどん歩いて街の端っこまで来ました。そこをまた曲がります。お家がいっぱいあるからそうしないと今から行く場所に行けないんだって。
それからまた少し歩いてお家がなくなってやっと着きました。そこは川が流れてくる所でした。あのね森から街に川が流れてて、ここはちょうど川が街に入ってくる所です。僕のお家の所も川がちょっとだけ流れてるんだよ。
門の所と川の途中までは木や草がいっぱい。木がいっぱいだから雪があんまり積もってません。虫さん達のためなんだって。あとは鳥さんとか。木はチルの実の木です。花がたくさん咲く季節になると、たくさん実がなるの。楽しみだねぇ。チルの実とっても美味しいもん。
「えっと、ここからは最初はユーキだけだよ。みんなにユーキ以外が来るの、テレパシーで伝えるの忘れてた。他の人達がついて来たらあの悪い奴だと思って逃げちゃうからね。」
「さあ、行こうぜ!」
ディルとリュカ先頭で草の中を歩きます。1番草が多い所で止まります。草がね僕の背よりも高いから、お父さん達の方見たら、お父さん達のお顔だけ見えました。
「みんなボクだよ。リュカとディル。ユーキ達連れて来たよ!」
リュカがそう言ったら、草の中からたくさんの妖精さんが飛び出して来ました。赤いお洋服着てる子、青いお洋服着てる子、いろいろな妖精さんがいっぱいです。それに僕、女の子の妖精さん初めて見た。みんなディルとリュカみたいにとっても可愛い!!
「ふわわ!ようせいしゃんたくしゃん!!かわいいでしゅう!」
僕はたくさんの妖精さんに会えて、とっても嬉しくて喜んでたら、妖精さん達も、
「ユーキ?」
「あんたがユーキなの?」
「わあ〜、本物のユーキだ!」
「髪の毛黒!目も黒!」
「ホントに小さい!」
「大きいイヌも一緒!」
「我はイヌではない!フェンリルのマシロだ!!」
「僕シルフィー。」
「僕キミルだよ。隣はモリオン。」
「モリオンだよ。ぷっ、大きいイヌ!」
「こっちは黒ねこ!ボク達追いかける悪戯ねこと一緒!」
「オレはそんな事しねぇ!」
一気に僕の周りが煩くなりました。みんなで騒いだあと、リュカがお父さん達のこと説明しました。みんな最初は会いたくないって言ってたの。ちょっとだけお父さん達のこと見てきた妖精さんが、悪い騎士さん達に似てるから会いたくないって。だから僕一生懸命説明したんだ。マシロ達も説明してくれたよ。それでやっとお父さん達とお話してくれるって。
お父さん達の所に戻って、お父さん達にお話が分かる粉かけてもらいました。それでね妖精さん達また大騒ぎです。
「ユーキのお父さん!!」
「青いお洋服の人。悪い人達に似てるけど違うね!」
「ふ〜ん?あんた達強いの?」
なんか妖精さんの女の子達、ちょっとだけ怖いの。男の子達はニコニコなのに、女の子達はお目め細くしてジーってお父さん達見てるんだ。
「私達が会うのはリュカ達が会えって言ったからよ。」
「そうそう。じゃなきゃ私はユーキにしかお話したくなかったもの。ねぇ〜。」
「「「ねぇ〜。」」」
女の子達のお話聞いてお父さん達困ったお顔して笑ってました。
みんなが静かになったから、お父さん達が妖精さん達にお話聞きます。いつから悪い人達がここに来るようになったとか、何人くらいでここに来るのかとか。それからリュカ達に見せた騎士さんの絵を、他の妖精さん達にも見せます。その絵を見て妖精さん達またまた大騒ぎです。リュカとディルもさっき見たはずなのに一緒に騒いでるんだ。
「この人達!!」
「悪い奴だ!!」
「これで確実だな。」
「一応どこの家に住んでるか確認はしてありますが。ただ、捕まえた妖精は別の所に隠しているはずです。調べられた時に逃げられるように。」
お父さん達は今度は捕まっちゃったけど、戻ってきた妖精さん達にお話聞きます。どんなお家に入ったか、どんな所に閉じ込められてたのか。いろんな事聞いてました。
お話聞いたあとはお父さん達だけでお話です。僕達はその間、妖精さん達とお話してました。それで悪い人達捕まえてお仕置きして、それから雪が溶けて花がたくさん咲く季節になったら、ここでみんなで遊ぶお約束しました。
ここは花がたくさん咲く季節になると、綺麗な花がたくさん咲いて、たくさんの鳥さんや虫さんが集まってきて、とっても楽しい楽しい場所なんだって。
お父さん達のお話が終わったみたい。お父さんがリュカとディルを呼びました。それでねなんと今日、妖精さん達がお家にお泊りしに来てくれるって。やったぁー!!何かお父さん達いろいろ用意することがあるから、明日またここに戻るけど、今日はみんなが捕まらないように、お家にお泊まりなさいって。僕のお遊びのお部屋にある、小さなお家がちょうどいいはず。
妖精さん達みんながゾロゾロ飛ぶのはだめだから、マシロの毛の中に隠れてお家まで行きます。みんなでお泊り嬉しいねぇ!
(ハロルド視点)
ふう、やっとここまで帰って来れた。やっとと言ったが、それでも予想より早くここまで帰って来れた。これなら明日の夜遅くには街に着くはずだ。騎士の方の扉に行って証明書を見せれば夜中でも入れるだろう。多分…。
それにしてもあの雪のトンネルは何だ?誰があんなものを作ったんだ?誰というか魔獣か?所々の街で聞いてみたが、誰もトンネルを作った魔獣を知らなかった。
だいぶ雪は溶けて来ていたが、それでも場所によってはまだ雪が降っていて歩きにくい場所もあるのだが。あのトンネルのおかげで快適に移動することができた。帰ってたら兄貴に報告してみるか。変わった魔獣がいると。
「お前が怒られるのももうすぐだな。」
ニヤニヤしながらダイトスが話しかけて来た。
「お前もその1人なのを忘れたか?」
「俺は家は一緒じゃないからな。ずっと怒られることはないさ。」
「どうだか?お前、小さい時を忘れたか?家に泊まらされて、2日間ずっと叱られた時の事を。」
「今だったら逃げられる。いや、その前にお前の家に行かなければ…。」
ぶつぶつ何か言っているダイトス。そう簡単にオヤジが逃すとは思えないが。
「まあ、覚悟は必要だろうね。僕も怒られるのは嫌だけどさ。」
オクタビオが酒を飲みながら答える。まあ、それが正しいだろうな。怒る時のオヤジときたら…。
それにしてもずいぶん騎士達が他の街に流れているな。ボルフィスの事件のせいで、ボルフィスやその近くの街の騎士が、他の遠くの街へ逃げて来ているのだ。まあそういう奴らは役に立たない奴らが多いが。ただ単に騎士はカッコいい、威張れると勘違いしている奴らは、こういう大変なことが起きるとすぐに逃げ出す。恥ずかしい奴らめ。それで無駄に剣術や魔法を使うからなおタチが悪い。きっと今頃そういう奴らの相手をしていて兄貴は大変だろう。帰ったら手伝ってやるか。
泊まっている部屋に戻り、明日の事を考える。どうにか怒られることを回避出来ないものか…。
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