第170話みんなにお土産
僕ねお家に帰ってきてからとっても忙しかったの。
帰ってきた次の日は、みんなにお土産渡しに行ったんだ。アメリアと使用人さんとメイドさんと後は料理人さんでしょう、それからお庭綺麗にしてくれる人でしょう。とっても時間かかっちゃった。
それでねアメリアが1番喜んでくれたんだ。アメリアのお土産はハンカチ。お花が書いてあるんだ。
「こんな素晴らしいものを、とっても可愛ユーキ様からいただけるなんて。アメリア感激でございます。これはすぐに額に入れて飾らなければ!ユーキ様ありがとうございます!!」
アメリアが僕のこと抱きしめてくれて、それからスキップしてお部屋出て行っちゃいました。お鼻で歌も歌ってて、少ししたら階段の方からアメリアの叫び声が聞こえたの。
「うおぉぉぉぉぉっ!!」
って。僕何かビックリしちゃった。アメリアどうしたんだろう。それに飾るって言ってた。ハンカチはお手て拭くのに使うんだよ。僕がお父さんにそう言ったらお父さん困ったお顔して笑ってました。
「ハンカチにはいろいろ使い方があるんだ。みんな使い方が違うんだぞ。」
そうなの?僕はお手て拭くのに使うんだけど、あとねお顔拭いたりするの。アメリアの部屋はハンカチがいっぱい飾ってあるのかな?
あっ、でもね、お家のみんなにお土産あげた日は、スキップしてる人多かったよ。あとねアメリアみたいに叫んでる人もたくさん。それ見つけてアシェルがその人達怒ってました。
お家のみんなにお土産あげたから、次はリク君のお家に行きました。リク君のお土産は、ボルフィスのおもちゃ屋さんで売ってた乗り物のおもちゃと、カバンとかにつけられるお城の飾り。お城にリボンがついててそれをカバンに結んでつけるんだ。僕とお揃いなの。今僕のカバンにもついてるんだ。
リク君のお母さんのお店の前まで行ってリク君を呼びます。
「リークーくん、あしょぶでしゅう!」
「あらユーキちゃん久しぶりね。今呼ぶわね。リクー!ユーキちゃんよ!!」
「ユーキ久しぶりだな!!」
お店の後ろにあるリク君のお家の中から、ダダダダダッてリク君が走ってきました。僕がお土産あげるとリク君とっても喜んでくれて、お城の飾りはすぐにリク君の剣に付けてくれました。僕カバンに付けてたけど、僕も剣につけよう!僕はお母さんに剣に付けて貰いました。これで2人共同じです。
「よしユーキ、剣で遊ぼう!オレ、上手くなったんだぞ!!」
「ぼくはねぇ、ぼくは?…コップわるのじょうじゅでしゅ!」
「ん?コップ?まあいいや。よしいくぞ!!」
「いくでしゅ!!」
僕達はお店の後ろのちょっと空いてる所で剣で遊びました。そしたら全然リク君の剣に当たらないんだ。リク君は僕の剣にたくさん当てられるのに。ずっとだよ。ちょっとしか遊べなかったけど、僕あんまり楽しくなかった。ぷーってほっぺ膨らませて、僕は少しだけブーブーです。
「リクあんた手加減してあげなきゃ。ユーキちゃん小さいんだから。」
「でも俺どうしたらいいか分かんない!」
「そうよね。ごめんなさいねリク君。今度遊ぶ時はもう少しだけゆっくり剣を動かしてもらっても良いかしら。リク君のお父さんもゆっくり剣を動かして、剣の使い方教えてくれるでしょう。」
「うーん。うん父ちゃんゆっくり教えてくれる。そっか分かった。今度はゆっくりやるよ。」
「ありがとう。さあ、ユーキちゃんさよならして帰りましょう。」
「しゃよならでしゅう…。」
「ユーキ、俺今度はユーキともっと剣で遊べるように頑張るぞ!またな。」
「はいでしゅ!!」
もっと遊べるって。ほんとだよ?せっかくお揃いの剣だもんね。一緒に遊べないのつまんない。
リク君にバイバイして次のお家に行きました。お家?じゃなかったお店です。クロエさんのお店。クロエさんにはお母さんがお土産持って来たんだ。お母さんがお土産あげてる間、僕はお店の中ふらふら。
あっ、ルーリアのお洋服がある!シルフィーのもあるよ。いいなぁ、いいなぁ、可愛いなぁ。この前会えたルーリアにまた会えたら、このお洋服着ていきたいな。
それから窓の所に、可愛いカバンがありました。うさぎさんのお顔のカバンです。
「かあしゃん!うしゃぎしゃん!!」
「あら本当。可愛いわね。」
「それ新作よ。3日前にお店に出したばかりなの。けっこう人気あるのよ。もちろんユーキちゃんのはとってあるわよ。どうするオリビア?」
「もちろん買うに決まってるわ!また家でしゃがみ込む人達が出そうだけどね。」
買ってくれるの?やった~!うさぎさんのカバンは今のカバンよりもちょっとだけ大きくて、たくさんお菓子が入りそう。それからパスミル入れて折り紙入れて、今まではきゅうきゅうだったけど、これならゆるゆるで中から出すのが楽ちんのはず。
買って貰ってすぐに首から下げました。今日はうさぎさんの格好だからピッタリ。でも他のお洋服の時でもこれからはうさぎさんのカバン。帰ったらすぐにカバンにいろいろ入れなくちゃ。
お家に帰ってすぐに遊びのお部屋に行って、カバンにいろいろ入れました。完璧だよ。今日はお土産あげるので終わっちゃったから、明日はじいじの木の所です。
次の日、モリオンに雪だるまさんと雪のお家出して貰いました。
「これがそうか。なる程。これは初めて見たらビックリするのう。」
すぐにアメリアの雪だるま作りました。作ってアメリアに見せたら昨日みたいにスキップでお仕事に行きます。それでまた、
「うおぉぉぉぉぉっ!!」
って。それでね今日はその声聞いて、他のメイドさんがアメリアの所に走って行きました。みんな普通のお顔してるの。うんとねぇ、笑ってなくて怒ってなくて悲しいお顔してなくて、何にもないお顔。いつもニコニコなのに。
「じいじ、なんでみんな、はちっていったでしゅか?しょれにおかおなんにもないでしゅ。ニコニコちてましぇん。」
「ああ…。きっと何か仕事を思い出したのじゃろう。急がないといけない仕事かも知れんぞ。(昨日の土産でも揉めとったからのう。あれはまた文句を言いに行ったな。)」
「じいじ?」
「ん?ああ、それじゃあのうユーキ、雪のお家を案内してくれるかの。」
「はいでしゅ!!みんないくでしゅよ。きょうはじいじがおきゃくしゃんでしゅ!!」
「「「「「お~!!」」」」」
今日は雪のお家でおままごと。この前ボルフィスで見たんだ。お家の案内してる人がいたの。2階にはお風呂があってとか。何してるのか聞いたら、そのお家に住むかも知れない人が、お家のこと聞いてたんだって。教えてた人はお家を売ってる人なんだって。だから今日はそれの真似のおままごと。
もうすぐこのお家とも雪だるまさんともお別れなんだ。これからはもうあんまり雪降らないんだって。それでどんどん雪が溶けて、花がたくさん咲く季節になるんだって。キミルがとっても喜んでました。可愛いお花たくさん咲かせてくれるって。雪が溶けて雪のお家も雪だるまさんも、なくなっちゃうのは寂しいけど、でもキミルが咲かせてくれる可愛いお花は楽しみ!
そうだ。可愛いお花咲いたら、それグリフォンの卵の所にまた飾らなくちゃ。お花たくさんの方が良いもんね。
(アメリア視点)
まさかこんなに嬉しい事が2日連続で起こるなんて。私は自分の部屋に戻り、昨日飾ったユーキ様から頂いたハンカチを見ながら、ニヤニヤしてしまいます。
だって今日はユーキ様自ら私の雪だるまを作ってくださったのですよ。こんなに嬉しい事がありますか。
そのせいで仲間のメイドにはだいぶ羨ましがられてしまったけれど、これは私だけの特権なのですから。誰にも譲る気などありません。
ボルフィスではいろいろ辛い目に遭われたようで心配しましたが、お元気そうで良かったです。それに新たなご友人が出来たとか。帰って来たばかりでちゃんと紹介は受けていませんが、なんと聖霊様とあのアスピドケロンとは。さすがユーキ様です。
さあ今日もそろそろ寝る時間です。その前にもう1度サッと外へ行き、ユーキ様に作っていただいた雪だるまを目に焼き付け、部屋に戻り再度ハンカチを眺めてベッドに入ります。
明日もユーキ様のあの笑顔のために、頑張って仕事をいたしましょう。ふふっ、あの笑顔を思い出しただけで、幸せな夢が見れそうです。
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