第57話お昼寝の後は、皆んなでお絵かき

 いい気持ちで寝てたら、誰かに体を揺すられて起こされました。

「うにゅう…、だれでしゅか?ぼく、おひるねでしゅよ…。」

「ユーキそろそろ起きなさい。夜眠れなくなるぞ。それにおやつの時間だ。持って来たお菓子、食べなくていいのか?」

「おかし!!」

「…お前はお菓子で目を覚ますのか?今度からそれで起こすか…。」

 ザクスさんに貰ったお菓子、ほんと美味しいんだよ。いくらでも食べられちゃうよ。

おせんべとかクッキー、それから飴に、僕のカバンはパンパンです。

 僕は自分のカバンからお菓子を出して、机の上に並べました。

「もぐもぐ…。」

「全部食べるなよ。夕飯食べられなくなるぞ。」

「………。これおいしいでしゅよ!」

「はあ~。」

 夜のご飯、食べられないのは嫌だな。でも、お菓子も美味しいし。

 もぐもぐ。どんどんお菓子が、僕のお腹の中へ。そしたら、もうダメだって、お父さんが僕のカバンにしまっちゃった。

「ブー。」

「ブー、じゃない。まったくお前は。明日の分にとっておけ。明日もここに来るんだからな。」

 そっか、明日もここに来るのか。じゃあ、取って置かなくちゃ。


 おやつの時間が終わって、今度は早速、オリバーさんに貰った、お絵かきセットでお絵かきです。

 まずは、オリバーさんにお礼で、オリバーさんの似顔絵からかな?お仕事中のオリバーさんを、じっくり見ながら、描いていきます。

 クレヨンは全部で、15本ありました。何かね、青色と緑色、黄色と赤色とか、混ざってるクレヨンもあったよ。描いてみたら、どっちの色もちゃんと描けてた。面白いね。1回で2つの色が出るんだよ。

 一生懸命オリバーさん描いて、終わったんだけど、お仕事の邪魔ダメだから、帰りに渡すことにしました。喜んでくれるかな?

 次の絵を描こうとした時、騎士さんがお父さん達を呼びに来ました。

「分かった。すぐ行く。ユーキ、少しの間誰もいなくなるが、ここで1人で大人しく出来るか?」

「だいじょぶでしゅ!マシロもみんなもいましゅ。おえかきもできましゅ!」

 僕がそう言うと、お父さんは僕の頭を撫でてニッコリ笑って、皆んなでお部屋出ていきました。お部屋の中は、急に静かに。窓の外見てたシルフィーが、近づいて来ました。ディルとリュカも。マシロとエシェットは、エシェットがマシロをベッドに、2人ともまだお昼寝中です。

「ねえ、次は何描くの?」

「ユーキ、僕描いて。」

「いや、オレ描いてくれ!」

 どうしようかな。誰から描こう。お父さん描こうと思ってだけど、いなくなっちゃったし。うーん。

 その時リュカが、あって言いました。なあにって言ったら、手を見てみてだって。手を見てみると。

「おお~…。」

 クレヨンの色が、手にべったり。それを紙に付けたら、綺麗に手の形が紙に。

 面白い!!

 

 僕はいろんな色、手に塗って、どんどん紙に付けていきます。皆んなもマネして、紙は皆んなの手の形でいっぱいに。

 ディルがふふふと、笑い出しました。そして寝ているマシロ達の方へ。2人が起きないように、エシェットには、そっとお洋服に手の跡を付けました。マシロには手の跡は付かなかったけど、そこの毛だけが綺麗な模様みたいに、色が付きました。

  皆んなそれぞれ顔を見ました。そしてニッコリ。僕達は2人に近付いて…。

 楽しいお絵かきの始まりです!!

「何してる?主。」

「なんでもないでしゅよ。マシロは、ねててだいじょぶでしゅ。」

「そうか?危険な気配もしないし、大丈夫だな。」

「お主1度、拐われたのだろう。寝ていて平気なのか?」

 エシェットが目を瞑ったまま、マシロに聞いてます。マシロはもうそんなヘマはしないって。それに今は、エシェットもいるから大丈夫だろうって。エシェットがその言葉に頷いて、ふと、目を開けました。

 ピタッと、僕達は止まりました。エシェットは、自分の服を見てにっこり。それからマシロを見て、ニッと、笑いました。

「我は全然構わぬよ。服はいくらでも変えられる。楽しいならそれで良い。我は監視しながら、もう少し寝る。」

 2人がまた、寝始めました。エシェットに良いって言ってもらったし、どんどん手でお絵かきです!


 少し経つと、マシロの毛はほとんど、クレヨンで綺麗に色が付きましたエシェットのお洋服も一緒です。

「あれ?ユーキの顔にも色付いてるよ。」

「本当だ。これ、顔にも描けるんだな。オレも顔、色付けてみよう。」

 ディルはそう言うと、自分の手に好きな色付けて、顔に付けました。なんか自分の顔、塗り絵してるみたい。付け終わった後、そのお顔を見ると、凄いことに。

 目の所は黄色で、ほっぺは緑とオレンジ、鼻は青で、元のお顔全然分かりません。でも面白い顔してます。それを見たリュカが。

「ボクもっと綺麗に付けられるよ。」

 そう言って、今度はリュカが、お顔に色付け始めました。シルフィーも僕に、マシロみたいに色付けてって。お洋服は脱がせられないから、やっぱり顔の所だけ、僕がクレヨン付けてあげました。

 僕ももっとお顔に、いろんな色付けてみたい!ディル達が、目の所は青色でマル描いた方が良いよとか、鼻は赤かなとか、僕は言われた通りに、自分の顔に描いていきます。そして。

「「「完璧、バッチリ!!」」」

 と、皆んなからバッチリを貰いました。

 お絵かきって、やっぱり楽しいね!!

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