第19話 手作り料理
「ゆうくんのために頑張って夕ご飯作っちゃう」
ルカは腕をめくり、夕ご飯の準備に取り掛かった。
アニメを見てくれと言われても、さっきまでルカと汗だくになるまでアニメを見ていたし、それにルカの下着姿とか見てしまった訳で。アニメに集中できるはずがない。
ルカは部屋を見ても良いよと言っていたけれど、本当に見ても良いのだろうか。いやいやダメだ。なんか色々まずい気がする。
「はぁ」
俺がため息を吐きふと時計をみると11時に差し掛かる所だった。
あと1時間でメイドの時間になってしまう。いつになったら俺は1人になれるのだろうか。
そして、俺はうとうとし始めて、その場で寝てしまった。
どれくらい寝てしまったんだろう。
遊園地に行ったり、メイドやルカのこともあったりして疲れた俺はぐっすりと夢の中にいる。
心地良くて、安らかでずっとここで寝ていたい。
どこからか子守唄が聞こえてくる。子供の時に聞いた安心できる歌だ。
だんだん鮮明に聞こえてくる。優しい声で耳に響いてくる。ずっと聞いていたい。
頭を撫でられている感覚がある。
それに枕のような弾力と柔らかさが頭の下には敷かれていて。なんて最高なんだ。こんな心地良い空間にいたことなんて今までなかった。本当癒される。
「♪〜〜♪〜〜」
良い子守唄。
ってかあれ?何で子守唄なんて聞こえてくるんだ?それに枕とは違うこの弾力。
そして、俺は目を覚ました。
「んぁ?」
「ゆうくん起きたのね」
「ルカ?なんで」
「私がご飯持ってきたらゆうくん寝てるんだもん。寝顔が可愛いし、私が膝枕してあげたのよ。
べ、別に床だと可哀想だったから」
「そうか。ありがとな」
俺は起き上がり、目を擦る。
「い、良いよ。私がしたかったから」
ルカは俺の言葉を聞くと頬を赤らめる嬉しそうにする。
「それで今何時だ?」
「12時半よ。ゆうくんぐっすり気持ち良さそうに寝てた。私はそれが見れて満足」
「ご飯冷めちゃっただろ」
「チンすれば良いこと。ゆうくんのために作ったから美味しくできたわよ」
「じゃあ貰おうかな」
「持ってくるわね」
そう言うとルカは部屋を出ていった。
それにしてもメイドはどうしているんだろう。
もう12時過ぎてるし大丈夫だろうか。
「な、何でご主人様帰ってこないんですか...」
「西園寺さんのお部屋なんてわからないですし、私の時間奪わないでください...」
「ゆう様のバカ」
メイドは1人ベットの中で涙を流していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます