第3話 ツンデレ西園寺


「もう死にたいwww」

「おい、いきなりどうしたんだよ?」

「あのインキャ、ついに三人目に手を出したらしいぜww」

「いや、参ったwwこれは軽く死にたくなるww」

「だよなwwもうやってけねぇーww」

「下手するとクラスの女子全員と関係があったりしてww」

「ま、まさかなwww」

「さ、流石にねぇーよなww」

「それで次は誰なんだよwww」

「ツンデレ西園寺だってよwww」

「みっちゃんか?ww」

「当然だろ?www」

「そうだよなwwwでも、まさかあの西園寺がwww」

「俺、少し狙ってたかもwww」

「どんまいwww」

「なぁ?インキャってどうすりゃなれるんだ?www」

「知らねぇーwwwあいつに聞いてこれば?www」

「やだよwww一回も話したことねぇーしwww」

「だよなwwwそれにしても俺たちって...」

「はぁー」

「はぁー」

「「殺したい」」


ちょっともう家に帰っていいですか?

でもこのまま帰ったらもっとやばいことになってそう。それで三人目って何!?

誰とも話さない俺が、黒崎、柚木、そして、ツンデレ西園寺?ありえねぇーだろ!みっちゃん殺す!てかみっちゃんってそもそも誰?噂を広めているみっちゃんという生徒。見つけたら、一言言ってやる。た、多分だけど。

それに殺す?羨ましいからうぜぇーに変わり、いよいよ殺すですか...。確かに周りの視線に殺気が含まれているような...。もう嫌だ...。


「ねぇねぇ。マジやばやばなんだけどwww」

「やばすぎだよねwww」

「あのインキャ流石すぎwww」

「まさかツンデレ西園寺まで落とすってあいつ何者?www」

「だよねぇーwwwデレデレ西園寺が見れるんじゃない?www」

「デレデレってwww想像できないよねwww」

「あんなにツンデレしてたのにwww」

「どうする?あーしたちwwwこのままイケメン狙うよりあのインキャ狙う?www」

「矢崎流石に趣味悪いwww」

「言ってみただけwww先生の方がましだしwww」

「だよねwwwでもさwwwあいつ本当」

「「殺したい」」


もう噂が大きくなりすぎだーー!!あまりにも酷すぎる!俺が何かしたのか?ただ置き物のように存在感のない生徒Aとして暮らしてきたのにどうしてこうたったのだーー!!それに、黒崎や柚木は何もなかったかのように座っているし、弁明してくれよ。俺はお前たちと話したこともなければ付き合ったこともない。お願いだから嘘言うのやめてくれ。これじゃ、もう噂じゃなくて真実になっちゃってるじゃないか...。

西園寺...。お前はちゃんと否定してくれよな?

俺の願いが届いたのか、教室の扉が開け放たれた。


ドンッ!!


思ったよりも強く音が響いたのでクラスの生徒がビクッと震わす。


「私は噂が嬉しい訳じゃないんだけどみんなが気になっているなら宣言するの!」


西園寺は金髪ロング碧眼のアメリカとのハーフだ。日本生まれ、日本育ちは変わらないが、その外国人を思わせる風貌に加え、可愛い顔立ちをしていて、誰もが振り向かずにはいられないほど美少女だ。


「西園寺っち、私気になる!」


「気になる?仕方ないねー。だったら教えたくないけど、教えてあげる。私たち付き合っている!」


「誰と?」


矢崎は西園寺に聞く。ってか矢崎、噂が気になりすぎだろ。


「それは愛しのゆうくん♡」


やばい目があって、ウィンクされた。見られた瞬間、全身が熱くなり、思わず目を逸らしてしまった。か、可愛いすぎだろ。


「「「「え?」」」」


そして、波乱万丈な俺の高校生活が始まった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る