詩集 輝く者達

仲仁へび(旧:離久)

01 水の宝石箱



「今日もまた雨か。帰る時には晴れてるかな?」





 いつも通り雨

 傘をさして 歩く坂道

 雨水は留まることなく 移動し続ける

 天から地へ 坂の上から坂の下で


 お気に入りの靴を意地悪く濡らしていきながら


 朝になったら無数の雨粒が 朝焼けを映して

 夕方になったら 夕焼けを移す

 夜になったら街明り


 小さな水雫の中に 煌めきを閉じ込めている


 宝石箱が落ちてくる

 傘の上を転がって





「雨の日に笑う、雨の日に歌う。そんな事をして、楽しい?」

「楽しいから笑って歌ってるんだけど? そういうお前は楽しくないの?」


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