魔族と人類が覇権を争うファンタジー世界を舞台にしたミステリです
魔族を撃退した伝説の英雄クラインはその功績を多くの人間たちにたたえられていながらも、なぜか自殺してしまいます。
色々なスキャンダルや憶測が飛び交う中でヨーイングという記者とスチュワードという司祭が英雄としての彼が活躍するに至る過去を調べるために故郷や彼を知る人間を調べてまわります。
ヨーイングはクラインを神聖視していて本物の英雄であってほしいと願うのですが、彼の活躍の背景に隠されていた事実が明らかになっていき……。
ファンタジーではありますが内容は社会派ミステリのように、
様々な人間たちの思惑と欲望が絡み合った顛末を英雄の死の真実を解き明かす行為を軸にして描いています。
明るい話ではありませんが、考えさせられるファンタジーとして楽しめると思います。