陰キャイケメンの高校生活
たんたん溜まり
第1話 朝
「今日から高校生活か……」
僕はベットの中で呟いた。
そう今日から俺は高校生だ。友達もいっぱい作り、とても充実した高校生活を夢見ている訳ねぇだろコンチクショウッ!!
……ちょっと取り乱したが僕は陰キャである。中学校では失敗して友達が一人もいなかった。所謂、陰キャぼっちである。だけど、陰キャのままでいいと思った。なぜなら……陽キャは人間関係に疲れそうだし…… それに休み時間勉強してればテストは、結構いい点は取れるしな!という訳で高校生になっても陰キャになる。生まれ変わろうとはしない。
とりあえず今日は入学式の日である。緊張してか分からないが起きる時間が早くなってしまった。温かい毛布を抜け一階にあるお風呂に入る。
体をお風呂場で拭き、洗面所で服を着ようとすると、鏡に自分の顔が写った。いつもは前髪が長く顔が分からないが……ブスである。
自虐してる訳じゃないからね?本当にブスなだけだから……
だけどとても優しい母や妹は、
「カッコ良すぎていつの間にか結婚してしまいそう!」
と言ってくれる。勿論、元気付ける為にやってくれてるということは分かっている。血がつながっているからできるわけ無いからね。
自分の顔を見るのが嫌になり着替えたらリビングに行く。そしたら、母がご飯を準備してくれていた。
「蓮ちゃんはやく食べましょう!それに制服かっこいいわね!結婚届けを出しましょう!」
「はいはい」
母が俺を見たら優しく接してくれた。流石に今日から高校生なのでやめて欲しい。
すると母は何かに気が付いたようだ。
「あ!紅葉ちゃん呼び忘れたわ!申し訳ないけど起こしに行ってくれる?」
「分かったよ。」
そう言って二階に上がった。妹の部屋に入り、布団の中にいる妹を起こす。
「紅葉、早く起きて。」
「まだぁ…後、24時間……」
どんだけ寝るんだよ……そろそろ朝食を食べないと遅れる時間になるので布団を引き剥がして起こした。
そして一階に降りてきて朝食を食べたら玄関に行く。
「行ってきます」
「早く帰って来てね、蓮ちゃん」
母が小動物みたいな顔で言ってくる。こんな顔を初めて見たら寄り道もせずに走って帰って来そうだがもうこの顔は何百回も見ている。流石に慣れた。
「分かってる…大丈夫だよ。」
そう言って玄関を出る。玄関を出た先はいつもと違う感じがした。爽やかな風が吹き、太陽もちょうど良く暖かい。
そうだ。これから俺は陰キャ高校生になるんだ……
そう心に誓い、陰キャっぽく外に出た………
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