コトのハーベスト二次創作とエピローグ

胡霧狐 コト

EP:レン 0th.「どうして僕は魔法少女となったのか」

夢を、見ていた……黒い森、クリーチャーの跋扈するそこを、隣のリオと冒険した、あの日を……。

どうやっても忘れられない、悲しい日の夢を。


その日は少し雲も薄暗く、そして何より怪しい雲行き、そんな日だった。

向こう見ずな僕の親友、日比谷 莉織という少女と、まだ子供で自分の力を信じすぎていた僕、深鏡 憐は、冒険をしていた、行きすぎていたとは感じていたけれど、莉織のことは止められなくて、もしその時に僕が止められていたのなら、こんな事はならなかった……ただ夢の中で幾度手を伸ばしても、現実は変わらないけれど。


無謀に、身の程知らずに突き進む僕たちの前に現れた大きなクリーチャー、勝てると思えた、思ってしまっていた。

僕を守る変身学科の莉織、攻撃役の杖学科だった僕……あの頃の僕の握っていた杖は、見た目こそ修理したけれど、もう2度と握らない、握れる気もしない。

結果はズタボロ、カース感染で済むならマシだった、けれど、莉織の発動体は無残に砕けて僕の発動体もへし折れる寸前

守りたかった、幼馴染みだけは……その想いだけで必死に戦った、だけど、それでも、僕を守って彼女は散った、僕が攻撃を打ち込む隙を作るために、囮、そして僕の盾になって……


最後の一撃、幼馴染みの命と引き換えに放った奇跡、それでクリーチャーは沈み、僕は生き延びた、だけれど失われた命はもう戻せない、残されたのは砕けた装飾具チャーム、それ以外は取り戻すこともできず、僕は一人必死で黒い森から逃げ出して、なんとか生き延びた……。


……あぁ、酷い悪夢、そして現実……


目が覚ました僕は手元に残された思いチャームを握りしめて、今日も戦っていく、もう、何も失いたくない、その一つの思いに縋り付いて……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

コトのハーベスト二次創作とエピローグ 胡霧狐 コト @Cyrfy_AstLayer

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ