"君がそれを言うのなら"

@nanntokabush

第1話

ブラッドは普通の男子学生だ、けれど、少し変わったところがある。彼は妄想と現実をスムーズに行き来するという特技の持ち主なのだ。彼は、家を飛び出して、ライ麦畑ではないどこかへ消えてしまった。彼は、突然、風を感じたのだ。何かに取り憑かれたらしい。そう言われてもしょうがなかった。彼は、地下深くに掘られた不気味な今は使われていない水のない水路を歩いていた。彼は、自分が正しいと確信していた。ブラッドはそれからもう少し歩いた。そうすると、人影のようなものが見える。けれど、その人影は、振り返りはしない。目を合わせれば、消えてしまうのだ。ブラッドのオカルト好きは、役に立ちそうもなかった。なんといっても、彼は、眠っているように見えた。

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