Want to forget your ...

YUA

あの言葉

" 消えてくんね? "


また、あの時のこと思い出しちゃった...。


あぁ、忘れたいのに...。


これは、私が恋人に言われた言葉で一番心に残っている言葉。

こんな嫌な記憶無くなればいいのに、そういつも思う出すたびに思っちゃう。


この言葉を思い出すたびに、心がすごく痛む。




これは3年前私たちがまだ付き合う前の話だ。


私たちはクラスは違うが、仲が良い方だ。その時、私は彼のことがちょっと気になっていた。仲がよかったと言うよりか、仲が良すぎた。周りからは冷やかされて、付き合えとかそう言う風に言われることが多かった。私にとってはちょっと嬉しかったが、相手のことを思うと少し申し訳なかった。


ある日、私たちの学年は校外に講演会を聞きに行くことになった。会場まで各々で行き集合する形だった。隣のクラスの彼は真っ先に私のところに来て一緒に行こうと誘ってくれた。私はもちろんオッケーした。


いざその会場に着き、各々が自分の聞きたい講演者のブースに行き聞くという形だった。彼は心理学者に興味があり、私は道徳教育に興味があった。それらのブースは近く、私は彼と途中まで行くことにした。しかし、私たちが歩いている時彼から思わぬ一言が出てきた。


「ついてくんなよ。消えてくんね?」


この言葉を聞いて、私のデリケートな心に傷がついた。その時は本当に泣きそうになり、辛かった。いち早くその場から去りたくて、ブースト逆方向に走って逃げてしまった。結局、目的の講義には参加せずその辺をうろうろしてしまった。

そろそろ歩くのが疲れたため休憩ブースに戻ろうとした瞬間、彼の姿が目の前を横切った。でも、今って講義の時間。きっと彼はあの言葉を後悔し私を探していたのだろう。今回の会場では、約40講演が行われており20校以上の生徒が参加している。そのため、この中から私を見つけ出すのは不可能に近い。しかも、私のあの時の気持ちじゃ彼に合わす顔がなかった。むしろ会いたくなかった。


私が休憩ブースに戻り携帯をいじっていたら、彼が戻ってきた。彼は何事もなかったのかのように私に振る舞った。私は、もう彼への気持ちはこれっぽっちもなかった。だから普通の友達のように接し、もう関わりたくないと思った。





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