第30話【お風呂でのひととき】
「ただいまーって、まだ母さん達帰ってきてないのか」
学校が終わり、一度家に帰り着替えた後、約束通り俺と誠司とかおりちゃんの三人でお店で夕食を取った。
そして、何だかんだと話し込んだり三人で雑貨屋などを覗いたりしていると結構時間が経ってたみたいで家に着いたのは九時半を回っていた。
「とりあえず風呂入るか〜」
俺はそう呟いて風呂場に行き浴槽の掃除をし、お湯を溜める。
一人の時はシャワーで済ますことが多いが今日は珍しく高校生らしい遊びをしたからか疲れが出てしまいその疲れを取るためにゆっくり湯船に浸かることにした。
「ふぅ〜。
極楽極楽〜」
お風呂が沸き、身体や頭を洗ってから湯船に浸かる。
ポツポツと水滴が落ちる音をBGM代わりにして今日の出来事、特にかおりちゃんの事について振り返る。
「今日のかおりちゃんいつもより可愛かったなぁ〜。」
かおりちゃんの私服は白と水色のワンピースで髪もアレンジがしてありとても気合いが入ってることが伺えた。
「あれは俺に好意があるって事でいいのかな?」
学校での事もそうだし夕食の時も俺の隣に座ってきた。それにその後の帰り道でも何かアピールされているような気がした。
しかし、これが本当に俺に対してのアピールなのか、ただの俺の気の所為なのか判断に困っている。
非モテ陰キャは可愛い女の子に消しゴムを拾ってもらったりちょっとLINEが来ただけで、もしかしてこの子俺のことが好きなのでは無いか?と勘違いしていまう物なのだ。
実際俺も思ったことがあるし、そんな勘違いをして告白をした馬鹿を見た事もある。
「あの、ちょっと優しくしただけなのにそんな事言われても困ります·····。
それに私、根暗な方はちょっと·····。」
って断られたらしいけどな。
あの告白した松本くん、本当に可哀想だったなぁ〜。
昼休みに告白して帰ってきてから学校が終わるまで机に突っ伏して寝たフリしてたけどたまたま隣の席の俺は松本くんが泣いてた事に気づいてしまったのだ。
それを教訓に俺は変な期待をしないと心に誓ったのだ。
「それにもし本当にかおりちゃんが俺の事好きだとしても今の状況的に付き合うのは無理だよな」
一姫が俺の家族になっても学校のことを考えると実家ではなくこれからもこの家に住むことになるだろう。
なので、もし俺に彼女が出来たとき、いくら義妹だとしても俺が一姫と一緒に住んでいるのは気分が良いものではないだろう。
「まぁ、仕方ないよな」
俺は一姫に助けの手を差し伸べたことに対して一切後悔していない。
その結果、俺に彼女が出来なくなったとしても「まぁ、仕方ないか」で終わらせれるぐらいには、一姫を少しでも助けることを選んだ自分を誇らしく思っている。
「ただいまぁ〜」
「ただいま」
のぼせてきたなぁ〜と思った所で玄関から母さんと一姫の声が聞こえてきた。
「二人も帰ってきたことだしそろそろ出るか」
俺はそう呟いて湯船から出るために立ち上がる。
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只今、右瞼が腫れ文字が見にくい状況になっているため誤字などが多くなってしまっている可能性があります。
申し訳ありません。
何かありましたらコメントで教えて貰えると幸いです。
フォロー、☆、よろしくお願いします。
それではまた(。・ω・)ノ゙
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