第20話【母と俺達1】

「はぁ〜」


なんかわからんがめっちゃ疲れた。

まじ俺何かやらかしたのか?

理由がわかったら反省するとか対策を考えられるが全くわからんから何も出来ん!

何でわかったふうの誠司も店長もなんも教えてくれんし!


メイド喫茶の騒動の後、店長に今日は「そっとしてやってくれ」と説得され結局何も食べず家に帰ってきた。


はぁ、もういいや。

とりあえず仕事しよ。

明日学校に行って誠司に相談した方が自分一人で考えるよりいいだろ。

あ、そういえば母さんに一姫のことで電話しないといけないんだったな。

覚えているうちにするか。


「なぁ一姫、今ちょっといいか?」


俺はキッチンにいる一姫に声をかける。


「はい?

どうかしましたか?」


一姫は顔だけキッチンから出し返事をする。

なんか可愛いなその仕草というか行動が。


「いや、昼に言ってたように俺の親に連絡しようと思ってな。

それで何かあった時の為に一姫にも近くに居てもらおうかと思って。

だけど別に忙しかったら後からでもいいぞ?

俺は多分忘れてかもしれんから一姫から声掛けてもらいたいが」


忘れてるかもしれないというのは全くの嘘である。ただただ面倒くさくなって明日でもいいやってなる自信しかないので引っ張ってくれと言うお願いだ。


「いえ、大丈夫ですよ。

すぐに行きますね」


そう言ってキッチンで少し物音が聞こえたあと部屋着の上に付けていたエプロンを脱ぎながら俺の方へと向かってくる。


「お待たせしました」


「ん、とりあえず座れよ」


「それじゃあ失礼しますね」


一姫は俺に勧められ俺の座っているソファー左側に少し間を開けて腰を下ろす。


「おう。

まず、俺が金曜日の出来事とお前の事情、今後どうしていこうかと思っているかに着いて話す。

その後、一姫に変わるから俺の言っていたことに間違いがあれば修正、自分はどう考えているかを伝える。

最後に俺の母さんから何かしらの言葉があっる。

みたいな流れでいいかな?」


今思いついたざっくりした流れを一姫に確認してもらう。


「はい、それでいいと思います。

恐らく私達は凄く怒られるでしょうね。

私のせいでごめんなさい」


まず今まで連絡してなかったことに対しての言い訳させてもらいたい。相談する時間が無かったんだ。だってそうだろ?雨にうたれながら泣いてる美少女クラスメイトを発見→取りえず家に泊める→その夜、なんのあてもないくせに家を出ようとする一姫を引き止める→次の日、一姫の事情を聞いて説得&提案→現状。

な?

両親に相談する時間どこにあるよ。凄い過密スケジュールだろ?こんな濃い内容がたった二日の出来事だぜ?


まあ、「例え時間が無かったとしてもたかが学生が勝手に決めて良い案件じゃないだろ」とか「事前に相談するのが困難だったとしても次の日にすぐに連絡するべきだっただろ」など多くの意見があると思うし、俺も今考えると「ほんとそれな!」って言いたくなるのだが人間切羽詰まると判断が鈍ったり大切なことを見落としたり忘れてしまったりするもんなんだよ。

何が「特に両親に何かお願いすることも迷惑かけることも無いと思っているので連絡は別に急がなくてもいいと考えていた」だ。いや絶対に迷惑かかるだろ!そもそも今俺らが居る家は親の金で借りてるんだから俺の家じゃなくて親の家ってことだろ!そこに一日二日泊めるぐらいなら良いが住ませるとなると了承ぐらい取るのが筋ってもんだろ!お前は馬鹿か!と今なら思うが昼休みの時に一姫に言われ両親に相談することを考えるまではそう思っていた。


「まあ、仕方ないよ。

言い出したのは俺からだし両親に相談せずに勝手に決めたのも俺の責任だしな。

よし、かけるぞ」


「お願いします」


「あ、もしもし母さん?」


『もしもし?

透から電話かけてくるなんて珍しいじゃない。

どうしたの?

あ!!もしかして彼女でもできた!?』


俺から電話をかけることはほとんど無い事なので母さんのテンションが高い。


「いや、違うから。

ちょっと真面目な話したくてさ少し時間いいか?」


『な〜んだ。

彼女じゃないのか。

・・・はい、いいわよ』


母さんに付き合っていたら話が進まないと思いできるだけ真面目な口調で話すと小さくソファーか何かに座ったような音がした後、聞く体勢に入ってくれた。


「実は3日前のことなんだけど.........。」


______________________________

こんばんは!

本当はまた上げるつもりは無かったんですが何故か昨日フォローが凄く増えて嬉しくなったので頑張りました!

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