第6話【怒り】

「いてっ」


昨日はいきなりだったのもあり部屋を片付けずに適応にスペース作って布団を敷いたため寝返りをうった時にそのへんに転がっていた小物に軽く頭をぶつけてしまった。


「いって〜な〜。

まじ最悪。

今何時だ?」


枕元に置いていた携帯を手に取り時間を確認する。


「まだ6時かよ。

今日は土曜日だし二度寝するか。

でもその前にトイレ」


のそのそと起き上がりリビングに続く扉を開けた。


「あ」


リビングに入るとそこには着替えて荷物をまとめ今にもこの家を出ていきそうな彼女の姿があった。


「おい」


それを見た瞬間〝怒り〟で眠気が全て飛んでいった。


「な、何かな?」


「出て行こうとしてるのか?」


「うん。

あまり迷惑をかけられいと思って。

それに一応置き手紙はあるよ」


「お前、巫山戯るなよ?

何が迷惑をかけれないだ。

人のせいにするな!

置き手紙なんてあってないようなものだろ!

ちゃんと面と向かっていいやがれ!」


あまりの身勝手さに怒鳴ってしまう。


「な、何よ!

人の気も知らないで!」


「そんなもん知るか!

お前はこの件に関してはお前は被害者じゃない加害者だ!

何で被害者の俺が加害者のお前のことをそこまで理解しようとしなければいけない!?

お前が俺事を理解しようとするんだよ!

お前がこのまま出ていった時、俺がどう思うか、どんな行動をとるか考えたか!?

「あ〜あ、厄介者がいなくなって清々した」ってお前のことなんか全て忘れていつも通りの生活に戻るとでも思ってたのか!?」


「そうよ!

何が違うの!?

こんな厄介者がいなくなって清々するでしょ!?」


「そんなわけないだろ!

お前はどれだけ俺が薄情な人間だと思ってるんだよ!

心配するに決まってるだろ!?

帰る家があって待っていてくれる人がいるやつならいざ知らずお前は独りぼっちだ!

そんな奴がいつの間にか出て行ってたら罪悪感しかないわ!

お前はもう高校生なんだ、そのぐらいわかるだろ!

お前の脳は勉強することしか出来ないよか!」


「私はどうしたら良かったのよ!

何が正解なのかわかんないよ!」


「一回頼ったんだ、最後まで頼れよ!」


「じゃあ、助けてよ!!!」


「よし!

よく言った!

だが、俺は何から何まで面倒見てやる気はさらさらねえ!

相談にも乗ってやるし選択肢も用意してやる。

だから、最後は自分で道を選べ!

今度は自暴自棄にならず幸せな未来を目指して!」


「う、うわぁぁぁ!!!」


彼女は膝から崩れ落ち大泣きする。


昨日と今日の二日間でこいつの涙何回みたんだろう。

この涙が彼女の最後の涙になるように祈りながら近くに腰を下ろす。

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