第22話 リップサーヴィス




 指先でもくちびるでもどっちでもいい。

 上からでも下からでも、どっちでもいいから、いつものようにあなたの好きな音が鳴るまで、思う存分に触れて。


「きみ」としか呼ばないあなたの前で僕の名前は必要ないし、本当か嘘かを確かめるつもりもないな。


 ただ、欲しいものはそれほど多くはないけれど、ときどきあなたを手に入れてみたいなって思うんだよ。





★「音楽にまつわるアダルティな140字」というお題を頂いて書いたSSです(詳細は18話をご覧ください)。

 家のDKにはテレビがなくて、学校がある平日は毎朝子供達の朝食時にYouTubeで歌を聴きそれをツイートしています。それを知ってくれてのお題でした。

 田島貴男(現オリジナルラヴ)が在籍した頃のピチカート・ファイヴの「リップサーヴィス」をテーマにしています(140字を超えてしまいましたがお許し下さいました)。


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