第184話 認知機能

 今日の患者は田村三郎45歳である。

渋沢吾郎:どうしましたか?

田村三郎:なんか、認知機能が変なんです。

渋沢吾郎:よく自分で気づきますね。

田村三郎:コントロールが難しいんです。

渋沢吾郎:認知機能のずれは暗示にかかっている恐れがあります。私が解いてみましょう。

 と、吾郎は三郎の頭を触った。

渋沢吾郎:あなたの本来の性格に邪魔が入り込んだ形になっていましたね。暗示は解けなかったの、逆に大丈夫だという暗示をかけました。これで、認知機能の変な感じは抑えられると思います。

田村三郎:なんとなく、頭がいうことを聞いてくれます。

渋沢吾郎:三郎さんの場合、思考回路が真逆のことを考えることができる人なんです。真逆ゆえに認知機能を見て誤解している超能力者があなたを攻撃してくるんです。

田村三郎:確かに攻撃を感じます。

渋沢吾郎:また、貴方の場合、認知機能とは別に思考回路が存在します。そっちがあなたの本当の思考回路なんです。

田村三郎:渋沢先生。ありがとうございました。助かりました。

渋沢吾郎:では、今日はいいですね。

 と、田村三郎は帰って行った。

 夜、吾郎は清子と話した。

渋沢吾郎:なあ、清子。認知機能への暗示はいくら薬を飲んでも難しいよな。

渋沢清子:でも、それがわかるあなたも凄いよね。

渋沢吾郎:ただ、田村さんの場合は認知機能に超能力者の攻撃があったため、誤解が続いていたみたいだった。

渋沢清子:世の中解らないことがたくさんあるんだね。

 と、吾郎と清子は肩を寄せ合いながら話していた。

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