第122話 勉強時間
次の患者は川島麻衣17歳である。
渋沢吾郎:どうしましたか?
川島麻衣:今の自分に満足できません。高校2年生の女です。私は今偏差値70ほどの進学校に通っています。成績も真ん中くらいで切羽詰まってはいないのですが、自分の勉強時間や成績に焦りや劣等感を感じ、自己嫌悪に陥ることがよくあります。今日は約12時間勉強したけれど、まだ2時間行けたのにな、と考えてしまい、結局落ち込んで泣いて勉強に手をつけられない地獄のような状況になってしまいます。勉強が足りない、頭が悪い、要領が悪い、努力が足りない。そう思うと止まらなくなって死んでしまいたいという思考に至り夜通し泣いて時間を無駄にして勉強時間を失って、そこでまた落ち込んで最初に戻ってしまいます。もっともっと死ぬ気で勉強したら良いのかと思い、試しに1日15時間やってみましたが、まだいける、まだ足りないと思い結局落ち込むだけでした。どうしたら今の自分に満足できますか??
渋沢吾郎:勉強時間だけでなく、理解できたかが重要だと思います。勉強時間は多ければ多いほど勉強をやったという充実感が得られるのでしょう。ですが、今のあなたの不安を取り除くには成績が上がることです。答えが解りやすい問題集をやってみてはどうですか?問題が解ければ自信がつくでしょう。まだ高2です。焦ることはありません。解りやすい参考書で勉強をした方がより効率的だと思います。大事なのは確実に理解していくことだと思います。
川島麻衣:なるほど。
渋沢吾郎:勉強時間にこだわり過ぎて自信を無くすのは残念な気がします。私は弁口時間を12時間以上やってれば、自信を持ってもいいと思います。後は、理解しているかどうかです。暗記もしっかりできているかどうかです。ですが、暗記よりも理解すれば、勉強というものはすらすら入っていくものです。理解するコツをつかみましょう。
川島麻衣:理解するコツは?
渋沢吾郎:英語なら単語の組み合わせで文章が理解できているかどうかで、つまり文法から入るといいでしょう。国語も漢文は漢字の意味を考えると解きやすいでしょう。また、社会は歴史は時代の流れを覚えるだけです。流れをつかみましょう。理科は覚えるのと理解するのがあります。よく参考書を読んでみましょう。
川島麻衣:わかりました。ありがとうございました。
と、川島麻衣は帰っていった。
夜、吾郎は健太と奈美と話した。
渋沢吾郎:健太。学校は楽しいか。
渋沢健太:うん。
渋沢吾郎:もうすぐ中学受験だな。勉強時間はどのくらいやってるんだ?
渋沢健太:8時間ぐらいかな。
渋沢吾郎:頑張るなあ。清子に教わってるのか。
渋沢健太:うん。
渋沢吾郎:頑張れよ。と、奈美は勉強は好きか?
渋沢奈美:好きだよ。
渋沢吾郎:そうだよな。勉強は遊びだもんな。
渋沢奈美:うん。
渋沢吾郎:その意気だ。奈美は勉強殿くらいやっているんだ?
渋沢奈美:5時間ぐらい。
渋沢吾郎:そうか。頑張れよ。
と、吾郎は自分の子供の頑張る姿に今日も励まされながら過ごしていた。
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