第38話 怒ることは病気だろうか
今度の患者は、吉田正二35歳である。
吉田正二:私は最近怒りっぽいのですが、怒るというのは病気にされがちなのですが、怒らなければ伝わらないこともあると思います。
渋沢吾郎:なるほど。吉田さんは、怒るという行為何故悪いのかということですね。
吉田正二:そうです。
渋沢吾郎:私は、怒ること自体は悪くないと思っています。ただ、怒りながら話すと相手は受け入れない場合があります。が、基本的には怒っていても、私の場合は怒ってる中でその人が何を言いたいのかということはしっかりしていれば、怒っていても病気ではありません。吉田さんの気持ちはわかります。相手に怒る場合は、相手が嘘を言うことや、脅しをかけることに対してならしょうがないでしょう。
吉田正二:ですが、家の人には完全に誤解されています。
渋沢吾郎:吉田さんは会話の中で何を聞きたくて怒っていたのですか?
吉田正二:私に関する情報です。なぜ、私に言わないのかと、その内容が自分にとって大変なことなら、なおさら何故言わないのか。というところに腹が立ちまして、アルコールも入っていたので怒鳴り散らしてしまいました。この行動は理解されない行動なのでしょうか。
渋沢吾郎:自分に対する情報が欲しいわけですね。理由は何でしょう。
吉田正二:問題を解決したいからです。
渋沢吾郎:なるほど、噂で聞いているのに、それが無いといわれてアルコールが入っていたので思わず怒ってしまった。といった感じですか。たいした事では無いと思いますが。
吉田正二:そうでしょうか。
渋沢吾郎:怒ることは誰でもあります。ただ、自分の主張は怒らないほうが相手に伝わりやすいのではと思います。ただ、怒っているということは自分の気持ちをわかってもらいたいという現われです。ですので、これからは自分の気持ちを伝えるには滅多なことでは怒らないことをお勧めします。
吉田正二:自分はそのつもりです。しかし、酔っ払っていた時の発言がかなり良くなかったので、それがまわりに広げられた気がしますので愕然としています。
渋沢吾郎:ですが、怒ったとしてもあなたは殺しているわけではありませんので怒っているだけですので、あんまり自分を責めなくてもいいのではありませんか?怒っていることは逆に言うと、魂の叫びでもあるかとも思っています。ですが近年の社会では怒るということが病気と考える傾向がありますが、怒らなければわかってもらえないと思うとそうしてしまうのはしょうがないことです。ですが怒った後、冷静に考えてください。本当に怒った意味があるのかと。人には怒らなくても話は伝わります。それを心がけてください。
吉田正二:わかりました。なるべく怒らないようにしてみます。
と、吉田正二へのカウンセリングが終わった。
その夜吾郎と清子の会話が始まった。
渋沢吾郎:俺は今日の患者におこることは病気なのかと。
渋沢清子:怒っていても言っている内容が理にかなっていればまずくはないと思うけど
渋沢吾郎:そうだよな。怒っている時がその人の本音を行っている時なんだから、そういうときはしっかりと対応したいな。
渋沢清子:でも、なんで、あなたはあまり怒らないの?
渋沢吾郎:だって、清子に怒ることがないからだ。
渋沢清子:私もあなたを怒る理由はないよ。あなたはいつも私を満足させてくれるから。
渋沢吾郎:じゃあ、今日もいきますか。
渋沢清子:あなたも好きね。
と吾郎と清子はこの夜は、ドリームナイトであった。
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