その2 「布教」ってなんですか
「わしを、布教してはくれないかの?」
え?布教……?
この神様ってそんなマイナーな神様なんですか?
「ご失礼ですが、お名前は……?」
「アキオス、創造神であり、最高神じゃ」
おいおいどうなっているんだ、創造神とか最高神とかメチャクチャ位の高そうな神様を信仰しないって。
え、じゃあこの神様ただただ上にいるだけの神様で力とかない感じの神様ですか?
「いきなり布教させろって言われたって困りますし、力があるのなら何か見せていただかないと……」
「なら、その運命を見えるようにする能力を授けよう」
運命が見える……、なかなかに強そうな能力ではあるがどうなのだろうか。
一度試してみようか。
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「その能力なら良いかの?」
「いや、よく分からないです。そもそも動きがないので能力がどうなっているのか分かりません」
「そうか。それは残念じゃのぉ」
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能力は終わった……のだろうか。
相変わらず背景は白ばっかりだし何と言えばいいものか……。
「その能力なら良いかの?」
「いや、よく分からないです」
ん?待て、これはさっきも見たような気がする。
そうか、さっきの俺は確かこう言っていた。
「そもそも動きがないので能力がどうなっているのか分かりません」
「そうか。それは残念じゃのぉ」
やはり、運命が見える能力だ。
でも、これって……。
「そうじゃな、じゃあそのあらゆるものの正体がわかる能力はどうじゃ?」
あらゆるものの中に神様は含まれるのだろうか?
これも試してみる。
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名前:アキオス
種族:神(創造神・最高神)
経歴:150億歳、男神。最高神にもかかわらず信仰されないことを気にしている。押しには弱い。
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情報は頭の中にインプットされている。
なんというか、色々ぶっ飛びすぎたようなものも見えたが、押しには弱いというところが気になる。
「確かにいい能力ですけど、転生するんですしこの能力は必須能力だと思いますよ。布教もするのであれば、もう一つほど能力があった方が……」
「そうじゃの、布教してもらうわけじゃからのう。じゃあ、この妖精を一匹呼べる能力を授けようかのう」
試してみようかとも思ったが、どうやらこの空間では使えないらしい。
これ以上の能力をもらうのは流石に無理だろうし、この能力があれば転生した先でもやっていけるだろう。
「これで大丈夫かの?分からないことがあれば妖精に聞けば大体のことは教えてくれるじゃろうし。お主ならきっと布教も出来ると信じておるでの」
アキオスはにこりと微笑む。
「ありがとうございました」
俺は頭を下げるとアキオスは何かを唱え始めた。
徐々に視界が眩しくなっていき、目を開いてられなくなる。
「コウセイ、期待しておるぞ」
アキオスの声が、聞こえた気がした。
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