第25話 どうしたら…

 昨日は何もできなかった。高校生が誘拐をしたとして子供を隠せる場所…家か? でも、家には家族がいてバレてしまうはず…。まさか…悠人くん。頼む…生きていてくれ。もし、悠人くんがいなくなったことに2人のどちらか、もしくは斎藤くんが関係していたとしたら…。彼らを直接刺激しすぎては悠人くんが見つかるまでにもっと時間がかかってしまうかもしれない。そう思うとどう動けばいいのか…。落ち着け、俺。俺が動かない限り悠人くんは…。


「こんにちはー」

「ん? あ、こんにちは! 華さん!」

「あの、お話って?」

「すみません、お忙しいのにお呼びして!」

「いえ、それより呼ばれたということは…悠人のこと何かわかったんですか?」

「それなんですが…」

私は華さんに高校生の聞き取りでの話と高校生が関わっている可能性について伝えた。

「な、なるほど…」

「悠人くんと仲の良かった高校生とか、何か心当たりのあることありませんか?」

「…いや、ないです」

…何か言いかけた?

「えっと、この3人で見たことのある子いませんか?」

「わからないですね…。ごめんなさい、そろそろ仕事に戻らなくちゃいけなくて…。仕事が終わったらまた悠人を探します。おまわりさんもよろしくお願いします」

話を遮るように華さんは深々とお辞儀をし、出て行ってしまった。高校生と悠人くん…。華さんは何か知っている? いや、話してくれないことよりも今は3人の高校生だ。直接刺激するのは危険だし、ご家族に話を聞きに行ってみるか。

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