第19話 頑張るおまわりさん

 今日も学校で聞き取りをさせてもらう。その前に時間があったので、この町でも聞き取り調査をしたり、貼り紙をしたりしてきた。収穫は0だ…。しかし、何もしないよりはいいと思う。よし、高校で情報を引き出せるよう頑張ろう。


「うーん、知らないですね」

「男の子…、わからないです」

「えー! めっちゃかわいい! 早く見つけてあげておまわりさん〜」

「見たことないですね」

「お力になれず、すみません」

今日も手がかりなし…か。一緒に遊んでいた高校生がこの学校の生徒だとしてもたった1人いるか、いないかと言うところだからなぁ。ん? 待てよ。遊んでいた高校生に情報をもらうつもりでいたが、学校にある貼り紙も、先生の話も無視して情報を提供しないなんてその高校生は少し怪しくないか…? まさか…高校生が誘拐を!?


「遅れてすみません! あ!」

「いや、あれ? この間はありがとうね!」

先日俺の落とし物を届けてくれた子だ。じゃあこの子は何も知らないか…。まぁ聞き取りをしよう。

「えっと、鈴木くんかな。この間話した男の子のことなんだが、知ってることあったりするかな?」

「すみません、わからないですね…。まだ見つからないんですね」

「そうなんだ。高校の友達で、隣町によく行く子とか、小さい子と遊んでいるような子はいないかな?」

「うーん、わからないですね。隣町でいうと、僕はよく買い物に行きます。それで、クラスメートの斎藤くんはよく隣町のボウリング場に行ってた気がします。あとは、隣のクラスの山本さんと藤田くんは隣町でバイトをしていると思います。あ、友達のはるくんは隣町のカフェによく行っていました。でも、誰も小さい子と遊ぶ感じの人ではないかなって思います」

「そうか、ありがとう。じゃあ次の人を呼んでくれるかな?」

「はい、頑張ってください!」

隣町でバイトをしている子、隣町に遊びに行く子はよくいるようで、たくさんの子の名前があげられる。先程の隣のクラスの山本さんと藤田くんというも自分でバイトをしていると言っていた。あとは、名前の出た松川くんと斎藤くんが何か知っていることを祈りたいばかりだ。


今日も悠人くんに関する情報は見つからなかった。しかし、鈴木くんという子がいじめを受けていたこと、松川くんと斎藤くんは最近学校を休みがちであることがわかった。何か関係あるだろうか…。まぁ2人の聞き取りは慎重に行こう。

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