第11話 おまわりさんと高校生

 学校に事情を話したところ、悠人くんの貼り紙をして、集会でも話をしてくれると言うことが決まった。全校生徒に聞き取りをしてもいいが、放課後に数人ずつ話を聞く形でお願いしたいと言われた。早く悠人くんを見つけるためにはゆっくりなんて…と考えたが、この高校に配達員さんたちの言う高校生が絶対いる確証も、悠人くんが高校生といた確証もあるわけではない。校長先生の意向に合わせた形で明日から毎日聞き取りをさせて頂くことになった。


 悠人くんを見つけ出せるのか、不安な思いもある。この情報が正しいのかもわからない。でも、今はこれしか情報がない。頑張って探すしかないな。

「あのぉ」

「あ、はい。何でしょうか!」

「ハンカチを落とされましたよ」

おっと、俺としたことが自分の落とし物を届けてもらうことになるとは!

「ありがとうな」

「この貼り紙は何ですか?」

「あぁ、これ。今私が働いている隣町の悠人くんっていう男の子が行方不明になっているんだ」

「え!? それは大変ですね…。早く見つかるといいですね」

「ありがとう、お…私が頑張って探し出してみせるよ」

「応援しています。では、さようなら」

素朴な青年だなぁ。お?なんかカバンにつけてるな、もぐら…か? 不思議な男子高校生もいるものだな。

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