余談

 ここからは個人的な体験にもとづく、予想を述べます。

 本当に余談であり、記憶の食い違いを解決するものではないので、聞き流していただいても結構です。



 これまで記憶の食い違いについては、分かりやすく「入れ替わる」という表現を使ってきましたが、実際は入れ替わってすらもいないかもしれません。

 ひょっとしたら「おかしな電波を受信する」と言うように、他の世界の記憶が紛れこむだけなのかもしれません。

 どっちでも良いのです。どうせ他の世界のことなんて分からないのですから。

 仮に分かったところで戻る方法なんてないのですから。



 そう心配することはありません。

 経験上、常識も何も違う世界の記憶が割りこむことはありません。まったくないとは言い切れませんが、かなりの低確率だと思います。

 記憶の食い違いは、ほとんどの場合はさして重要でもないことで起こります。いつ食い違ったのかさえ明確ではありません。

 食い違いが表面化するには、他人の記憶や事実と照合する必要がありますから、永遠に食い違いに気づかないということもありえます。

 多くの人は「記憶の食い違い」自体には覚えがあっても、それを深刻なものだとは考えないでしょう。

 もしあなたの記憶に深刻な食い違いが起こったのなら……ご愁傷様。



 不安な方は、事実を記録する習慣を身につけてください。

 記録したところで、憶えのないことや、記憶とは食い違う部分が出てくるでしょうが、信じるのはあなたの記憶ではなく、この世界であなたがつけた記録だけです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る