魔導書管理人

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魔導書の管理者

第1話 新たな時代

 ある日、世界中に『門』が開かれた。

『門』の先には光に埋もれた空間が存在し、上も下も存在せず、ただただその空間は無限に広がっていた。

 そこからは未知のエネルギーが満ちており、『門』を通して世界に流れ込む。

 そのエネルギーは『マナ』と呼称され、『門』と共に研究を進められる。

 それから程なくして巨大な怪物が世界に出現する。

 怪物は全身を緑の靄で包んでおり、全身を伸ばせば天にも届きそうなほどひたすらに巨大で、あらゆる兵器も通用せず、使えば使うほど荒れ果てた戦場が残るのみ。

 化け物が少し動くだけで街が壊れ、人が死に、世界が呑まれる。

 泣き、嘆き、苦しみ、絶望が広がっていった。

 世界が滅び書けている中、一人の救世主が現れた。

 救世主は絶望に染まっている人類に知識を与え、やがて怪物に対抗する手段『魔導書』を創り出す。

 人類は数多くの魔導書を用いて怪物に対抗し、数年の時をかけて勝利した。

 知識をもたらした人間はいつの間にか姿を消していたが、『賢者』として歴史に名を刻み、語り継がれている。

 そんな大昔の話、魔導大戦の影響は今の世に渡るまで影響していた。

 その中でも大きなものは二つ。

 一つは魔導管理局『アドミニストレーター』。

 通称『管理局』と呼ばれる組織は、大戦時代の連合軍がその後の世界を復興するために作られた組織であり、現在では大戦時代に作られた魔導書や世界の情勢を統括管理をしている。

 もう一つは魔道具。

 魔導書に刻まれた術式を流用し、誰にでも使えるように調整された道具。

 マナを燃料として稼働し、日常生活に使うものから武器に至るまで幅広く流通している。

 魔導が一般常識として歴史を進める現在。

 緩やかに世界は変化していっていた。

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