薬屋と鍛冶屋は事情を聴いて提案する

エアル達はクルスを強引にヴェルデ―アの薬屋に連れて行き、ヴェルデ―アと偶然その場に居合わせたローゼンに全ての事情を話した。

「なる程ね…領主の罪を暴きたいと…」

事情を知ったヴェルデ―アがそう言うとローゼンも口を開く。

「実は、俺達が闇の者達に誘拐されたのも、町の内部から誰かが手引きしたかららしいんだ。まさか、それが領主だとは思わなかったけれど。」

「ああ、俺達はこの問題を根本的に解決したい。ローゼンとヴェルデ―アも協力してくれないか?」

エアルは必死に訴える。

「わかった。だが、それはそれとして、まずは、この浮浪児の男の子の方もどうにかしたいみたいだね」

そう、ローゼンが言うと、ヴェルデ―アとローゼンはクルスの方に向き直る。

「まず、体を洗うべきだけれど…身なり的に坊主頭にボロボロの服装じゃあ、格好付かないわ。マーシャやスズネに飲んでもらった奴だけれど…」

「え!?どうする気だよ!?」

ヴェルデ―アの言葉にクルスが驚くと、ドロシーがクルスを後ろから押さえつけると、ヴェルデ―アはクルスの口から薬を無理矢理飲ませた。

「んっ…!!」

すると、クルスの頭から、ヴェルデ―アのそれより明るめの緑色の長い髪が生えてきて、クルスの腰ぐらいまでで伸びるのが止まった。

「な…何すんだよ!?こんな…女みたいな髪!!」

「さて、長い髪の洗い方も教えたげますからねー」

マーシャがそう言うと、クルスはマーシャとスズネにヴェルデ―アの住居兼店舗の風呂場へと強引に連れていかれた。

その間に、ドロシーとエリスはヴェルデ―アの家にある食材で料理をはじめた。

「ところで、ローゼンは自分の子供の頃の服とかとってある?」

「いや?」

ヴェルデ―アの質問をローゼンは否定する。

「俺も、保管してないな…」

「僕も…」

エアルもサムソンも答える。

「ダメか、じゃあ、所謂男の娘になっちゃうけれど…」

「エアル、サムソン、俺達2人から1つ…君達というよりは、紅の林檎亭に対して、提案があるんだけれど…」

エアルとサムソンはローゼンの話を聞く事にした。

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