孤児達の代表から話を聞く
護衛の依頼から3日が経ち、アップルR-12へと他の町だけでは食べきれない程の大量の食糧が運び込まれたのに、飢える人々は一向に減らない。これは明らかに何かがおかしい。
エアル達6人はそう思わずにいられず、今日は紅の
しばらくは不毛な問答が続いていたが、そんな中、ドロシーが呟いた。
「誰かが大量の食糧を独り占めとかしていない限り、こんなのはあり得ないよ…」
「でも、いったい誰が何のためにそんな事を?」
マーシャが反論する。
「これについて、何か知っている人が居るとすれば?」
そう、サムソンが呟いた。それを聞いたエアルは考え込んだ末に口を開いた。
「スラム街の孤児、彼らに話を聞いてみよう」
そして、スラム街にはエアル、マーシャ、ドロシー、エリスの4人でいく事にした。サムソンとスズネは他をあたる事にした。
そして、スラム街に向かうと飢えた子供達の集まりを見つけた。
子供達は明らかに自分達を不信の目で見ている。
その先頭に立っているボロ布を纏ったスラム街の子供達のリーダー格と思わしき坊主頭の少年は瘦せこけた身体だが、年相応の肉付きをしていれば少女のような綺麗な顔立ちをしているであろうと思わせた。
そして、その少年はエアル達に肩を怒らせて歩み出た。
「おい、あんたら、あの依頼を怪しいなんて思わなかったかよ?」
「は?怪しい?どういう事だ?」
エアルは少年の言葉を聞いて、懐に仕舞っていた依頼の張り紙を取り出す。
「あれは、このアップルR-12の領主からの依頼だぞ?領主が自分の治める町の飢えている人達を救うために出した依頼じゃあないのか?」
「その領主に問題があるんだよ。」
「は?」
少年の言葉に首を傾げるエアル達。
「クルス、ここにサムソンとスズネは来ていないようだぜ。」
クルスと呼ばれたスラム街のストリートチルドレン達のリーダー格の少年に別の孤児が話しかけた。
「そうだ!僕の言葉を疑うんならさ、今この場にいない君たちの仲間、サムソンとスズネを探しに行った方が良いよ。」
「クルスと言ったね、どういう事だい?」
クルスの言葉にドロシーは反応する。
「さあ?実際にサムソンとスズネを見つけたらわかるんじゃないか?多分、目を付けられていると思うから」
そのクルスの言葉を背に一行はサムソンとスズネを探しに向かった。
クルスの言葉が的中しているとも知らずに
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