幕間-冒険者達は今の世界情勢を語る

エアルとサムソンがルイーゼ達に薬を渡した日の夜…「くれない林檎りんご亭」にて…

威圧的なゴロツキのような男、筋骨隆々の大男、ガイコツのような細身の男、魔法使いらしく杖を持つローブを纏った青年や老人、剣を腰に下げた青年、団子鼻の神官風の男…何十人かの冒険者達は、今回の仕事を終え、食事を終えてもなお、食堂にたむろして、飲み物のカップを片手に談笑にふける者も居れば…今日の朝の新聞を読んでいる者も居た。

「今日はバタバタしてて、ろくに新聞も読めなかったからな…。」

新聞を読んでいる眼鏡をかけたマントを羽織り、その下に皮鎧を着こんだ若い男が呟いた。

「情報通のロンとしては屈辱だろう?」

「まあ、それなりにはな…」

ロンと別の冒険者に呼ばれた若い男は、それを否定しなかった。


「それより、これからは俺達冒険者の仕事はますます増えるかもしれん。闇の職人と闇の武闘家との戦い以外にもな。」

ロンは自分の先見の明を推測程度に言う。

「いったいどういう事だ?」


そう別の冒険者に聞かれたロンは、しばしの沈黙の後、自らが呼んでいた新聞の記事を見せる。

その内容は…『衛星都市ハッサクL-02 放火によって都市部が壊滅的な被害 魔術で焼き払われたか?』

「まさか、サムソンが推測していたように、闇の者は職人と武闘家以外にも居るって事か!?」

ロンの読んでいた新聞の情報に冒険者達は驚く。

「その可能性は高い。さらに見てみろ、この記事…」

そう言ってロンが見せた記事は

『城塞都市レモンM-24の領主一家、横暴な振る舞いの末に暗殺。』

「このような事は…これから先、どんどん増えていくぞ。」

ロンは今後の世界情勢に不安を隠せなかった。

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