こんな所で婚約破棄のお話をしなくてもいいんじゃないの

一ノ瀬 彩音

第1話 こんな所でお話しなくてもいいんじゃ

私は五条司さんという男性と婚約しているのですけど、

司さんからご連絡が来て、大切なお話があるという事なので

司さんから指定された場所を教えられました。


きっと指定された場所でお話をするのでしょうか。


早速、私は指定された場所へ向かっているのですけど、

着くまでにはお時間がかかるのでゆっくりと行こうと思います。


しばらくして指定された場所に到着すると、時刻は既に夜でして

しかも指定された場所は廃墟でした。


どうしてこんな所でお話しなきゃいけないのかなって疑問に

思えますが、司さんから指定してきた場所なので

しょうがありません。


そんな事を考えていると司さんが来るのでした。


「わりぃな、待たせて」


「ううん、私も今来たの」


「そうか」


「聞きたい事があるんだけど、いいかな?」


「何でも聞いてくれ」


「どうして廃墟でお話するの?」


「それはな、雰囲気を出すためだ」


「そ、そうなんだ」


お話するのに雰囲気って必要なのかな。


私には到底理解出来るとも思えない。


「大切なお話って何?」


「婚約していると思うが、婚約破棄したいんだ」


「婚約破棄するのですか?」


「婚約破棄する」


「そっか、残念ね」


「まぁ、そうだな」


「じゃあ、さようならだね」


「そういう事になるな」


「今までありがとうございます」


「こっちもありがとうな」


廃墟で婚約破棄されるって不思議な感じです。


その時です。


「婚約破棄はやめなされ~」


「司さん何か言いました?」


「言わない」


「帰りましょうか」


「そうだな」


私と司さんの恋愛というか、愛し合うというか、婚約破棄されたので

ここでおしまいという事になります。


それにしても何で婚約破棄のお話するのに廃墟だったのかな。


考えれば考える程、本当によくわかりません。


「私の恋愛終わったのね」


雨宮寧々は新しい恋愛をするのでしょうか。


それとも独身のままでいるのでしょうか。


雨宮寧々に幸運あれ!

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こんな所で婚約破棄のお話をしなくてもいいんじゃないの 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019

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