第179話 8月10日(水)レボ部の仕事その21-4
次は静香ちゃんと38歳の女性の患者さんとの会話です。
名取:ご機嫌いかがですか?
患者:調子が良ければ病院なんかにいないよ。
名取:話をしてもいいですか?
患者:なんで私が話さなきゃならないのだ。
名取:勉強なんです。
患者:で、私から何を学びたいのかい?
名取:患者さんと心を分かち合うための勉強です。
患者:なるほど。あんた、医者向きだね。それも患者と心を向き合うという心がすごくいい。で、何を話せばいいんだい?
名取:病についてですが、何が原因なんだろうって考えています。
患者:なるほどね。私はもう38歳で独身。34のときに愛する夫と離婚それがショックで人を信じられなくなり、新たに恋人ができても捨てられ、あまりの運のなさに発狂して病院に入ったのよ。
名取:なるほど。私が見るに、旦那さんもしくは恋人にはどういう話をしていたんですか?
患者:普通の世間話だけどね。
名取:私はうまくいかなかったのは何かが足りなかったと思います。優しさとか愛する者の理解とか。
患者:それは私が悪いという意味かい。不愉快だねえ。
名取:いえそうじゃないです。恋人と付き合うことはお互いを支え合うのが大事なんです。
患者:なるほど。そういわれればそうよね。
名取:恋愛は支え合うところから始まると思います。
患者:確かにそうだね。はっきり言ってくれてありがとう。私は今まで支え合おうということに気づいていなかったみたい。
名取:わかっていただければ幸いです。
患者:あなた、医者になれるよ。医者目指しなさいよ。患者の心がわかる医者はほとんどいないからさあ。
名取:まあ、それは考えてみます。で、この辺で楽しい話をしませんか?
患者:そうね。謎かけしようよ。
名取:はい。
患者:「医者とかけて 相対性理論と説くその心は 結局何もわかっていない。」
名取:では、次は私。「歯が痛いとかけまして 負けた人間と説きます その心は敗者(歯医者)は最悪です。」
と、静香ちゃんは患者さんと話を続けた。
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