第51話 5月13日 (日) レボ部のピクニックその1

 みんなおはよう。今日は生徒会の話は無し。ピクニックの話だけだから安心してくれ。舞台は三崎峠から。

佐々木:今日はみんな遅刻しなかったな。チャンポンも間に合った。

名取:チャンポンはなんで間に合ったの?

長崎:美華ちゃんが起こしてくれたのさ。

宮下:そう。私がいるからターちゃんは大丈夫よ。ね。あ、な、た。

 みんな笑ったんだけど、一人だけ怒っている人がいた。恭子ちゃんだった。

亀山:みんな、早速歩かない?

前田:二人組みで歩かない?

佐々木:でも、美華ちゃん軍団を合わせると数が半端なんだよね。

亀山:美華ちゃん軍団は3人でひとまとめにしてさあ、男女一人ずつペアーを組んで歩こうよ。

名取:でも恋人がいる人は恋人同士よね。

佐山:でもさあ、それだったら、お互い恋人以外の人とわかりあえないじゃん。それにみんな付き合っているってわかっているから俺はいまさら付き合っている人にはどうこうしないつもり。ただ、単に友情を深めたいだけだ。

亀山:男と女の友情もレボ部のテーマなんでしょ。

佐々木:恭子ちゃんいい点を突くねえ。今回は恋人関係なしでペアーにならない?

名取:私は清彦君をとられたくない。

川村:静香。少しは大人になったら。清彦君をレボ部の女子が静香から取ると思う?

名取:そういわれても。清彦君はどう思う?

秋山:僕としては別に安心していいんじゃないかと思う。それにただ湖まで一緒に歩くだけだよ。

名取:わかったわよ。

佐々木:じゃあ、静香ちゃんが納得したので反対の人いる?

宮下:佐々木さん。私はやっぱり3人グループなの?

佐々木:美華ちゃん。今日ばかりは勘弁してね。湖で一緒にボート乗ればいいじゃない?ボートしながら。

宮下:わかりました。

 そしてくじ引きが始まった。組み合わせは次の通りである。

 佐々木と静香ちゃん

 助と朝ちゃん

 僕と愛ちゃん

 チャンポンと恭子ちゃん

 阿曽部と久美ちゃん

 サスケと美子ちゃん

になった。だが、この組み合わせは実は魔の組み合わせだった。

 まずは佐々木と静香ちゃんから

佐々木:静香ちゃんとツーショットで話すのは初めてだね。

名取:でも私には清彦君がいるからね。

佐々木:それは俺も同じだよ。

名取:でも、私、今日、納得いかない。誰かが道をはずしたらどうするの?

佐々木:だけど、俺は男と女の関係には、恋人関係だけじゃなく友情関係も必要だと思ったから。

名取:でも、今回は相性が微妙な気がする。

佐々木:だけど、それを乗り越えてこそレボ部は美しく生まれるんだ。

名取:美しさって何?

佐々木:愛情以外の絆を作ることもレボ部では必要なんだ。

名取:みんな大丈夫かなあ。

佐々木:それより、せっかくだから楽しまない?ゲームをするとか。

名取:それいいわね。

佐々木:古今東西でもやる?

名取:そうね。

 佐々木と静香ちゃんは古今東西をやっていた。

 次は助と朝ちゃん。この2人は気持ちは複雑なんだろうか。

助平:まさか今回は朝ちゃんと2ショットとは思わなかったよ。

朝霧:そうだね。でも、私、ふっ切れているのよ。阿曽部君って付き合い出したら面白い人だった。

助平:もう迷いはないみたいね。お互いに。

朝霧:そうね。助平君は愛ちゃんだもんね。でも、迷ったら相談してね。

助平:朝ちゃん。俺をその道へ引きずり出したいわけ。

朝霧:え?相談してねといっただけだよ。深読みしすぎじゃない?

助平:朝ちゃんって逃げるのもうまいんだね。

 この2人はあっさり話を進めていった。次は僕と愛ちゃん。

秋山:恋人以外の人と仲良くなるって企画って初めてだね。

川村:そうね。みんな何考えてるんだろうね。

秋山:とかいって愛ちゃんのリのりだよ。

川村:だって清彦君とよく話してみたかったんだもん。

秋山:これってさあ、よく言えば男も女も関係なく友情で結び合うということだけど、結果が悪けりゃ不倫大会じゃない?

川村:みんな恋人がいるから大丈夫だって。

秋山:本当にそう思う?新メンバーの3人はわかんないよ。

川村:それよりせっかくだから、楽しい話しようよ。

 僕と愛ちゃんもこんなのりだった。次はチャンポンと恭子ちゃん。今回の企画の難点はこの2で始まったんだ。

長崎:朕は朕である。そちは誰じゃ。

亀山:長崎君。そのわけのわからないところも好き。

長崎:恭子ちゃんはわかってると思うが、朕には好きな人がいる。今回はお話だけで終わりだよ。

亀山:長崎君。なんであんな小さい子が好きなの。私にはわかんない。私は長崎君が好きでこの部に入ったんだよ。同じ高校生同士で恋愛すべきよ。

長崎:あ、でも、もう美華ちゃんとできてしまったのだ。

亀山::出来たって子ども?

長崎:違う。絆だよ。もう家族まで納得しちゃってるし、朕も今幸せだし、年齢に関しては朕は美華ちゃんが大きくなるまで待つつもりでいる。

亀山:長崎君。どうかしてない?

長崎:恭子ちゃんにはいい人が絶対いるって。

亀山:やだ。私、あきらめない。長崎君を私のものにする。

長崎:恭子ちゃん。それは反則じゃないかい。

亀山:勝負は結婚するまでわからないじゃない。絶対私のほうがいいって思わせてあげたい。

長崎:恭子ちゃん。朕を悩ませないでくれ。それよりまずはそういう話より、楽しい話題をしよう。

 チャンポンは悩みの種を1つ作ってしまったようだ。次は阿曽部と久美ちゃんです。

阿曽部:よろしく久美ちゃん。

前田:よろしく。

阿曽部:久美ちゃんはなんでレボ部に入ったの?

前田:私、仲間がほしかったんだ。この部って楽しそうでいい人が多そうだから入ったのよ。後、彼も欲しいのよ。

阿曽部:彼かあ。レボ部でフリーなのはサスケしかいないよ。

前田:えー。あの日と私嫌いなのよ。

阿曽部:なんで。

前田:なんとなく。女の直感があの人は合わないといってるの。

阿曽部:ふーん。つまり、なんで?

前田:彼女を作ろうと意識しすぎてるところかなあ。私のことも知らないくせに。

阿曽部:ふーん。

前田:それに、余裕が彼に無いよね。

阿曽部:ふーん。

 阿曽部と組ちゃんの話題はサスケだった。今度は最後のサスケと久美ちゃんの会話に行きます。

神山:どうも。神山です。

佐山:佐山です。はじめまして。

神山:私は彼氏もちだから私には手を出さないでね。

佐山:いや、神山さんには手を出さないよ。

神山:でも、あなた、彼女が欲しくてたまらない。レボ部は男と女が楽しくやっているから彼女ができると思ったでしょ。

佐山:え?なんでわかるんだ?

神山:あなたからそういうオーラを感じるの。恋愛はタイミングよ。あまり、表に彼女が欲しいと出しても彼女はできないよ。自然にできるから無理はしないでね。

佐山:でも、神山さんにはわからないと思うけど、彼女がいないと病が治らないので・・・。

神山:え?ちょっと待って。冥想してみる。

 美子ちゃんは冥想しだした。

神山:サスケ君はどうやら彼女がいないと病になってしまうようね。それで焦っているのかなあ。原因は知ってるけど言わないよ。・・・・・・。だけど、協力してあげる。サスケ君が彼女ができるように。病のためにも。

佐山:ありがとう。

 レボ部の6チームはこんな感じで話が進んだ。

 話は思ったほど魔の組み合わせではないみたいだった。さっきは話を盛り上げるために嘘をつきました。ここでお詫びします。

 みんな話しをしながら歩いて湖についた。さあそこで昼食をとることになるのだが。

佐々木:さあ、みんな。気分はどう?自然の中での語らいは最高だったろ。

名取:佐々木君。これから昼食よね。どうする?

川村:私はそれぞれ組みたい相手と食べたらどう?

名取:賛成。じゃあ、私は清彦君とね。

川村:静香は気が早すぎよ。

佐々木:でも、今回は何か特別な雰囲気があるから、それぞれ適当に昼食するパートナーを決めて持ってきた弁当で食べてくれ。じゃあ、1時間後に集合。では解散。

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