第30話 5月4日(金)レボ部の合宿2日目 その4

 みんな宿に戻った。宿に戻った時、男女はそれぞれの部屋に戻った。今日はレボ部の行事は終わり・・・・・。だけど話は終わりじゃないんだ。ここで僕は静香ちゃんから電話が来た。

秋山:もしもし、あ、静香ちゃん。

名取:清彦君。ちょっといい?

秋山:いいけど、どうしたの。

名取:そっちに阿曽部君いる?

秋山:いないよ。

名取:よかった。実は、私の方にも朝ちゃんが丁度いないんだ。ここで面白いことやらない?

秋山:どういうこと?

名取:私ね。朝ちゃんと阿曽部君は結構いいカップルだと思うのよ。だから、朝ちゃんと阿曽部君のこの二人をくっつかせてあげようと思って。

秋山:なるほど。でもなんでそういうことをしようと思ったの?

名取:愛や美子とも話をしたんだけど、私たちだけ幸せっていうのはちょっと気がひけるかなあと思って。助や佐々木君たちにもこのことを伝えてほしいのよ。

秋山:わかった。じゃあ、今、助たちと話すから、一回電話切るね。

名取:うん。

 僕は電話を切って、この話を助と佐々木とチャンポンに言った。

秋山:助、佐々木、チャンポン。ちょっと話があるんだけど。

佐々木:なんだ。

秋山:今、静香ちゃんから電話で言ってきたんだけど、阿曽部と朝ちゃんをくっつけさせてあげようということなんだ。あの二人なんだかんだいって、お似合いじゃないかってことだから。

助平:静香ちゃんは相変わらずおせっかいなとこあるなあ。

長崎:でも、朕は面白そうだと思う。

佐々木:そうだなあ。でも、何でそんなこと静香ちゃんは言ったんだ?

秋山:僕たちだけ幸せってちょっと気がひけるということなんだ。

助平:そうだな。よし。俺は乗ったぞ。

佐々木:俺も参加する。

長崎:朕も賛成じゃ。

 ここでドアをたたく音がした。

助平:入ってまーす。

長崎:助。ここはトイレじゃねーぞ。

秋山:それより、僕、ドアを開けてくる。

 ドアを開けたら静香ちゃん達がいた。

名取:清彦君。そっちの方はどうだった?

秋山:こっちはO.K.だよ。

川村:清彦君。作戦立てようよ。

秋山:そうだね。

佐々木:じゃあ、今、先生がいないうちに会議室で作戦タイムだね。みんなそれでいい?

 みんな納得し、会議室で作戦を練った。作戦は終わって、みんなそれぞれわかれた。

 その頃、阿曽部は旅館の温泉に入っていた。そう。一人で温泉に入っていたんだ。そこに助が入ってきた。

助平:阿曽部。元気か。

阿曽部:助か。

助平:実は一つ聞きたいことがあってな。

阿曽部:何?

助平:お前今、一人で美子ちゃんのことを考えたんだろ。俺はふっきった方がいいと思うぜ。そして他の女の子に切り替えたらどうだ。

阿曽部:うん。そうだね。でも美子ちゃんほどの人っているのか?

助平:阿曽部。朝ちゃんはどうだ。髪がロングで顔も性格もさわやかで、男に尽くしてくれそうな子だぜ。朝ちゃんっていい女だと思わないか?

阿曽部:確かに朝ちゃんはいいけど・・・・・・。今すぐ切り替えろといわれても、なんかいい加減じゃない?

 助と阿曽部はともに温泉から出て、着替えて外に出た。

 そこに愛ちゃんが缶ジュースを持ちながらやってきた。

 3人は近くのの椅子に座って話した。

川村:阿曽部君。助との話し声、外まで聞こえたよ。でも、美子ちゃんは佐々木君と付き合うんだし、別にいいんじゃない?私はすぐ切り替えたからっていっても阿曽部君を責めないよ。朝ちゃんはいい女よ。私と助のことでちょっとライバルだったけど、あの子本当にすっきりしているのよ。ちょっとツーショットしてみたら?話だけでもしたらどう?

阿曽部:朝ちゃんはどう思っているのかなあ。

助平:俺は阿曽部と朝ちゃんは結構似合ってると思うぜ。昨日のバーべキュー夫婦ごっこはなんだかんだいって楽しかったろ。

阿曽部:そうだね。

 ここで、僕と静香ちゃんがやって来た。

名取:阿曽部君。助。愛。何してるの?

 静香ちゃんと僕は話の内容を知らないフリをしていた。

阿曽部:いや、ちょっとね。

川村:静香。実はね。私と助と阿曽部君と三人で話してることがあるのよ。

名取:どういう話?

助平:朝ちゃんと阿曽部って相性がいいんじゃないかってこと。

秋山:なるほど。僕もそう思うよ。阿曽部。朝ちゃんと付き合ってみたら。

名取:朝ちゃんはさっきお土産コーナーの店の近くの椅子にいたわよ。

助平:なら話は早い。阿曽部。ツーショットしてこい。

秋山:そうだよ。阿曽部。さっき釣りの時、僕と静香ちゃんと朝ちゃんと阿曽部の四人で話したろ。後の方は盛り上がったろ。

阿曽部:みんなありがとう。・・・・・・でも本当にいいのかなあ。朝ちゃんは助が好きだったんだぞ。

助平:大丈夫じゃないか。朝ちゃんも気持ちを切り替えるんじゃないか。

阿曽部:・・・・・。助も変わっているよな。自分のことを好きになった人を他人に紹介するなんて。

助平:いや。今の俺は愛ちゃんがいるし、阿曽部だから朝ちゃんを薦めているんだ。他のやつには勧めねえぞ。

川村:阿曽部君。今がチャンスよだと思うよ。朝ちゃんほどの女の子はそうはいないよ。もし、誰かに取られちゃったら、阿曽部君は後悔するよ。

阿曽部:・・・・・。わかった。じゃあ、みんなの言う通り朝ちゃんとツーショットしてみようかなあ。確かお土産コーナーだったよね。

名取:そうよ。

阿曽部:じゃあ、行ってくる。

 阿曽部は一人で朝ちゃんの所へ行った。

 一方、朝ちゃんのほうは佐々木と美子ちゃんとチャンポンが説得していた。

佐々木:朝ちゃん。一人で何やってるんだい。

朝霧:うん。ちょっと一人でいたかったの。気持ちの整理をつけようと思って。

神山:朝ちゃん。私もそれがいいと思うよ。

朝霧:私ってもてない女なのかなあ。愛ちゃんに勝つ自信はちょっとだけあったんだけど。

長崎:そんなことない。朕は朝ちゃんはいい女だと思う。宮廷の侍女をやってもらいたいぐらいだ。

佐々木:チャンポンは相変わらず皇帝気分だな。

長崎:まあ、それは置いておいて、朕が思うに、助はなぜ愛ちゃんを選んだのかと言えば、朝ちゃんに魅力がないわけじゃない。朝ちゃんより愛ちゃんのほうが自分に合うからだからじゃないかと思う。だから、これはしょうがないということで、朝ちゃんは気持ちを切り替えた方がいいと思う。

朝霧:・・・・・・うん。

神山:ねえ。朝ちゃん。私が占ってあげようか。朝ちゃんに一番相性がいい人。

朝霧:・・・・・・うん。

神山:ちょっと冥想するね。

 美子ちゃんは冥想しだした。

神山:私のまぶたに朝ちゃんにぴったりな相性の人が映ってきました。それを、今、私の持っている水晶玉に映そうと思います。

 そして、水晶玉に人の顔が出てきた。その顔は阿曽部だった。

朝霧:あれ、阿曽部君だ。

 美子ちゃんは冥想をやめて話し出した。

神山:朝ちゃん。阿曽部君はどうかな。

朝霧:そっか、阿曽部君か。

佐々木:そうだよ。朝ちゃん。阿曽部とツーショットしてみたら?昨日の夫婦ごっこも息合ってたし、それに、結構阿曽部と話している回数多いよね。

朝霧:そうね。阿曽部君も結構面白いとこあるよね。阿曽部君と話してみようかな。阿曽部君は今、どこにいるの?

神山:阿曽部君は今、こっちに向かっているよ。お土産でも買いに来るのかなあ。・・・・・・。というわけで、私たちは去るね。朝ちゃんがんばってね。

佐々木:じゃあ、朝ちゃんがんばって。

長崎:グッド!ラック!

 しばらくして、阿曽部が朝ちゃんの所にやって来た。

阿曽部:あ、朝ちゃん。・・・・・・。一人で何やってるの?

朝霧:うん。ちょっとね。阿曽部君はどうしてここに?

阿曽部:ちょっとお土産を買おうかなと思ったんだけど・・・・・・。財布ないみたい。

朝霧:それはそれは・・・・・・。

阿曽部:朝ちゃん。今、ちょっと話さない?

朝霧:うん。私もそう思ってた。

 阿曽部と朝ちゃんのツーショットが始まった。

阿曽部:・・・・・・。実は、ここに来たのはお土産を買いに来たわけじゃないんだ。

朝霧:そうね。財布持ってないもんね。

阿曽部:レボ部のみんなっておせっかいだよね。

朝霧:もしかして、阿曽部君もそうなの?私もそう。

阿曽部:でも、みんないい奴らだよな。なんだかんだいって。

朝霧:そうね。

阿曽部:・・・・・・。僕は、朝ちゃんはさっぱりで、すっきりしているから結構いいなあとは思っていたけど、恋愛の対象にはしていなかったんだ。

朝霧:それは私も同じだよ。でも、それは、お互い他に好きな人がいたから私は別にいいとおもうよ。

阿曽部:でも、みんなに言われたせいか、今の僕、少し朝ちゃんを意識している。

朝霧:私も。

阿曽部:昼の釣りの時間、楽しかったよ。朝ちゃんってこういう人なんだと思った。

朝霧:私もよ。阿曽部君ってスポットを当ててみたら興味が湧いてきたよ。

阿曽部:今日の夜は二人でゆっくり話そうか。

朝霧:うん。

 阿曽部と朝ちゃんは楽しい時間を過ごし、しばらくして、阿曽部が決定的なことを言ったんだ。

阿曽部:朝ちゃん。僕と付き合ってみない?

朝霧:うん。私もそうしたい。

 阿曽部と朝ちゃんはめでたく付き合うことになった。

 今日の話はここでおしまい。明日はどうなるのか。合宿はあと2かあるんだ。みんな楽しみにしてくれ。ではさらば・・・。

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