第7話 4月15日(日)長崎チャンポンの企画
今日はゆっくり過ごそうと思った。そんな矢先、電話が来た。
秋山:もしもし、秋山ですが。
長崎:もしもし。清彦か丁度いい。
秋山:何だチャンポンか。出前はとってないよ。
長崎:・・・・・・。清彦も言うなあ。まあ、それはおいといて今日からうちの店でサービスをすることになったぜ。
秋山:どんなサービス?
長崎:十分以内にうちのラーメン大盛を三杯食べたらタダ。だが、少しでも残ってたら二千五百円払ってもらうというすばらしい企画だ。
秋山:ふーん。つゆも残しちゃダメなの。
長崎:ダメだ。
秋山:ふーん。厳しいね。
長崎:それで何人か来るんだ。
秋山:誰が来るの?
長崎:助と愛ちゃんと阿曽部と静香ちゃんと佐々木と美子ちゃん。
秋山:結局、いつものレボ部のメンバーね。
長崎:一応、昼の二時に来いよ。その時間だったら空いてるから。
秋山:わかった。
みんな二時にチャンポンのラーメン屋に集まった。
長崎:みんなよく来た。
名取:今日はチャンポンはさすがに遅刻しなかったわね。
長崎:おい。自分んちの店だから当たり前だろ。
助平:それでも遅刻をするのがチャンポンじゃないのか。
長崎:助はそんなことを言うから助なんだよ。
今日もみんなとばしているなあと思っていた矢先、チャンポンが仕切り始めた。
長崎:皆さん。長崎チャンポンへようこそ。うちは日ごろお世話になっている皆さんに御礼をしようと思いましてこの企画に参加していただきました。
佐々木:俺はまだ参加するって言ってないぞ。
川村:本当はみんなから二千五百円取るのが狙いでしょ。
長崎:でも全部食べればいいし、味もいい。まさにおいしい企画。どうだ。だれか偉大な挑戦者はいないか。
助平:よし、まずは俺がやろう。
こういうときも助は真っ先に挑戦した。さすが我が部の特攻隊長と言われるだけあるなあと思った。
長崎:親父。挑戦者が来たぞ。
ラーメンを作るのはもちろんチャンポンの親父さんである。
長崎の父:お。挑戦者か。うれしいね。今用意するからちょっと待っててくれや。
秋山:でも助はさすがだよ。なんでも先頭をきるね。
助平:当たり前だ。何事も先陣をきるのが俺だからな。槍でも鉄砲でも何でも来いや。
長崎の父:ん。助平君。槍や鉄砲も欲しいのか。ちょっと食べきれないと思うがね。
助平:あ。いや。例えです。
チャンポンの親父もボケるなあとみんな思いながらいろいろ話しているうちにラーメンは出来上がった。
長崎の父:へい。まず一丁。
助平:ん?あれ?おじさん。いつもより一杯分の量が多くありませんか。
長崎の父:助平君はうちの息子の友達だからね。サービスだよ。
助平:・・・・・・そうですか。
僕は本当は何が何でも二千五百円払わせる気だと思った。
長崎:助。準備はいいか。
助平:まったく。しょうがねえな。
そして助のラーメンバトルが始まった。三杯食べればOKだ。
助のラーメンを食べる速さといったら凄い、凄い、凄いの三拍子だった。え、何?この表現なんか変だって?いや、この表現はこれから流行るんだよ。まっ、そんなこと言っている間に助は一杯目と二杯目を六分で食べてしまった。残り四分であと一杯なのだ。しかし、一筋縄でいかないのがこの企画なんだ。
長崎の父:おい、太郎。いつものやつをやれ。
ここでチャンポンは助が食べているのを妨害する作戦を実行した。
長崎:えー。助がただラーメンを食っているのを見るだけではみんなつまんないので、ここで朕のギャグを披露してやる。ギャグタイトルは、あったらいやな新番組編で、最初に番組名を言って第一話の題名を言います。それではいきます。
初級
あったらいやな新番組 番組名 燃えろサッカー小僧
第一話 目指せイチロー
このギャグはサッカーに燃えるはずの小僧が野球を始めるというこのギャップの違いがポイントである。
ここでみんな笑った。助も思わず噴き出しそうになった。
長崎:次へいきます。
中級
あったらいやな新番組 番組名 武の最強伝説
第一話: 武 敗れる
このギャグは武の最強伝説が第一話目から崩れるというギャップがポイントである。
みんな笑った。ここで助は食っている麺をのどに詰まらせて咳をした。
長崎:よーしなかなかだな。最後いきます。
上級
あったらいやな新番組 番組名 麗しき友情
第一話 さらば友よ
このギャグは友情がテーマのはずなのに第一話目から友と別れるというギャップがポイントである。
助はとうとう口から麺を噴き出してしまった。
助平:チャンポン。きたねえぞ。
長崎:朕はみんなが退屈そうだったから和ましているだけだ。それより時間がなくなるぞ。
チャンポンはさらに助の邪魔をし続けた結果、助は麺をのどに詰まらせて、咳き込んだりして結局時間以内に食べることができなかった。
長崎の父:ハーイ。時間切れ。
助はしぶしぶ2500円を払うことになった。
長崎:さあ、偉大なる次の挑戦者はおらぬか。
みんな助の惨劇を見たため誰も挑戦するものはいなかった。
ここでタイミングよく人が店に入ってきた。
長崎の父:いらっしゃい。
そのお客さんはなんと江藤先生だった。
長崎:先生。また来ましたね。
江藤:今度こそはただ食いしようと思ってな。ほう。みんなも来ているのか。
え、江藤先生は何しに来たかって。長崎チャンポンのラーメン三杯を十分で食べたらただという企画に再度挑戦しに来たんだ。
長崎の父:先生。また挑戦かい。
江藤:ええ。今度は長崎君の邪魔には負けませんよ。
長崎:先生。そんなこと言っていいんですか。今回も強力なギャグを考えていますよ。
江藤:俺は負けん。
今度は江藤先生が挑戦した。
長崎:先生。準備はいいですか。
江藤:おう。
助平:チャンポン。俺も先生の野望を阻止してやるぜ。
名取:助。本当は自分がお金払ったから、先生にも払わせたいんでしょ。
助平:いや。違うな。俺は勝負に徹した先生の姿が見たいだけさ。
佐々木:チャンポン。俺も手伝う。
阿曽部:僕も協力する。
秋山:僕も協力していいかな。
川村:美子も静香も面白そうだから協力しようよ。
結局、レボ部のメンバー全員が江藤先生の野望を阻止することになった。
長崎:では先生。準備はいいですか。
江藤:なんかお前らってこういうときの団結は凄いなあ。でも、俺はちょっとやそっとじゃ笑わないぞ。
長崎:先生。われわれを甘く見てはいけません。ではスタートします。
レボ部対先生のバトルが始まった。
長崎:レボ部のみなさん、朕がテーマを言うので、そのテーマにあったものを連想して言って下さい。まず、最初のテーマは「貧乏の条件」。
さっそく佐々木が言った。
佐々木:靴下に穴があいている(笑)
長崎:靴に穴があいている(笑)
助平:家に穴があいている(笑)
秋山:家はダンボール製(笑)
阿曽部:ミスターオクレのファンである(笑)
みんななかなかのセンスだった。江藤先生は咳き込んでいた。
長崎:では二つ目のテーマ「エロ本がありそうな場所」。
佐々木:助のカバンの中(笑)
名取:助のベッドの下(笑)
長崎:助の机の引き出し(笑)
助平:おい。何で俺ばっかなんだよ(笑)
佐々木:じゃあ違うの行くか。えーと、助の枕の中(笑)
助平:おい、同じじゃねーか。(笑)
神山:でも私の占いでは助の枕の中にエロ本があるのは本当よ(笑)
川村:枕がそうなら助が見る夢っていやらしそうだね(笑)
助平:みんなテーマ以外のことを言うのはやめにしようよ(笑)
江藤先生は口に入れた麺を思わず噴き出しそうになり、涙目になりながらも頑張っていた。
長崎:よしよし。なかなかいいぞ。じゃあ、三つ目は「金持ちの条件」
佐々木:ティッシュがお札である(笑)
長崎:自家用の車のタイヤがダイヤである(笑)
名取:下着が全部金でできている(笑)
阿曽部:ペットのヤギの餌がお札である(笑)
レボ部の凄まじいギャグ攻撃はさらに続き、ついに江藤先生は笑いでまともにラーメンが食えないまま10分経った。
江藤:みんなやるなあ。今回は俺の負けだ。でも、平常点はやらんぞ。
レボ部対江藤先生の対決はレボ部の勝利で終わった。
今日のレボ部もテンションが高かった。今日はこのくらいにしておこう。
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