第28話『ペアになってラブラブが一番は誰だ!』

百華さんの姉が経営している高級ホテル

俺たちはそこにタダで泊まることになった

さすがに悪い気がしたが

何故か百華さんがハイテンションで誘ってくるので

断るに断れなくなり、今に至る


「二人部屋を四つ用意したわ♪カップルで別れてね♪」


「ねぇねぇ百華ちゃん、私はどうすればいいの?百華ちゃんと?」


「そうよ雲雀さん♪嫌?」


「ううん!すっごく嬉しいよ!」


『雲母と暎の場合』


「うわーすっごいフカフカっすよこの布団!」


高杉君がベットにダイブしてる間

私は色々と混乱していた

なんで私こんなことになってるんだ・・・・

そうよ、私まだこいつのこと名前で呼んでないじゃない

風呂に上がって誘惑パターンも考えたけど

こいつまともに私をみないから出来なかったじゃない

どうしよう・・・・


「雲母さん、一つ聞いていいっすか?」


「ん?なによ?」


「なんで二人部屋なのにベット一つしかないんすかね?」


私は高杉君に言われて周りを見渡すと

広さは二人部屋もしくは四人部屋レベルで広いのだが

見当たるのは一人用ベットや一人用机など

明らかに一人部屋仕様だった

な、なによこれ・・・・どうやって寝ろってのよ・・・・

私は慌てて神宮寺さんに電話をする


『あーそれですか?佐藤さんの提案なので文句なら佐藤さんまで♪チャオ♪』


謎のキャラで神宮寺さんはそう言って電話を切る

私は一応八千代にラインすると

『ん?その方が嬉しいと思って!』

という余計なお世話な言い訳をされた


「・・・・俺床で寝るんで大丈夫っすよ?」


「は?いや、なんで?」


「いえ、なんか嫌そうだったから」


「べ、別に嫌じゃないわよ!なんか緊張するというか、いや違うそうじゃなくて・・・・」


「雲母さん可愛い!」


「あ、こら抱きつくな!」


『真里奈と恋愛の場合』


長らくの沈黙がよぎる


「んーと、このベットどうする?」


「えっと、どっちでもいいけど・・・・」


一人用ベットを前に二人してまた沈黙になる

とくにこの夜はなにもすることはない

もう十時ごろだし明日に備えて早めに寝た方がいいのは分かってる

かといって、二人で寝るにはこのベット狭すぎる

俺は姉さん曰く寝相が悪いらしいので

・・・・どうしたものか


「金君が良ければ私は一緒でもいいけど・・・・」


「大丈夫か?俺寝相悪いけど」


「構わないわ」


結城さんがすぐに勇気を出してくれたので

俺たちは仕方なくベットに潜り込む

端っこにいるつもりだが

結城さんの足が俺の足に当たる感触がある

やべぇ・・・・ドキドキしてきた・・・・

・・・・でも、なんかねみぃなぁ・・・・


『視点を結城さんに変えます』


どうしよう、勢いで寝ちゃったけど

すぐ近くに金君がいるんだよね!?

ドキドキする・・・・そんなこと思ってると

何故か体が暖かくなる感覚を覚える

ん?この感触は・・・・腹筋?腕?筋肉?

・・・・って!金君もう寝てるの!?

というか私はハグされてるぅぅぅぅ!!!?

あ・・・・ごちそうさまでした・・・・ぐふっ


私が気絶した後金君のケータイに一つの通知がきた

その内容は

『私来週帰ってくるね!!よろしく!』

というものだったのは

まだ知るよしも無い

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