第23話『夏休みといえば!勉強です!・・・・あれっ?」

「とーいうことでお前らー。羽目外しすぎんなよーかいさーん」


先生の言葉と同時に

全員がわー!と叫びながら教室を出る

いや小学生か!と突っ込みたかったが

俺もその一人なのも事実

俺は教室を出ようとすると

結城さんに呼び止められる


「金君ちょっと待って、話があるの」


「話?なに?」


俺は結城さんのとこまでいくと

なぜか高杉や雲雀さん、百華さんまでいる

結城さんは少し困った顔をしているので

高杉が代わって話をしてくれる


「この七月最後にテストあるじゃん」


「あぁ、あるな、確か成績悪いと卒業出来ねぇんだっけか?」


「・・・・うちの学校に千人ほど生徒がいるのだけれどその中で七百位以上にいかないと八月は補習で潰されるみたいなの」


百華さんの困ったような笑みで説明され

へー、と他人事のように相打ちをうつが

ふと思う、てことは勉強会をしようってことか?

俺が知る限りこの四人の成績は上位クラスだ

なのにさらに高みを目指してるのか・・・・

すると雲雀さんが無言で成績表を俺に渡してくる

これは・・・・あれ?俺の成績表?なんで雲雀さんが持ってんだ?

そういえば俺だけ渡されなかったな


成績表は12345の評価順ではなく

テストの点数や提出物などの点数で出されていて

さらに順位も書いているところなのだが

・・・・あれ・・・・俺ちょうど701位じゃん・・・・


「えっとね、先生からこれ渡されてね、お前らでどうにかしろって言われたの!」


雲雀さんは悪気はないと思ってくれてるのか

笑顔で身振り手振りで教えてくれる

そして最後に結城さんがまとめてくれる


「と、いうことで明日から一週間。テストまで私の家で皆で勉強会を提案したいの」


結城さんの家で・・・・一週間も!!?

それって色々あるよな!

いろんな妄想してると

百華さんが机を思いっきり叩いて

俺を正気に戻す

あれー、百華さんの笑顔がこわーい


「まさか勉学を怠けてる人が?ムフフなイベントがあると思っているの?」


「え?でも」


「舐めてかかると後悔するぞ?」


「ハイスミマセン」


なぜかヤンキーに絞められた気分になりながら

俺はその勉強会に強制的に参加することになった

なんで百華さんって怒ると口調変わるんだ?

でもあの様子だと皆来るんだよな?

てことは・・・・姉さんも呼んだ方がいいか

明日から色々頑張らないといけなそうだ!

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