第18話『ヒロイン出ません。はい。』

八坂さんの事件があって翌日

百華さんから招待状がきた

それは百華さんの家の招待状だ

彼女は前に言った通り超お金持ちなので

家はモン・サン・ミシェル以上のレベルででかい

俺も何度か噂を耳にしたりするが

実際に入ったことのある人はいないらしい

俺は招待状に罠がないか見ながら

目の前で嬉しそうに笑っている百華さんを見る


「こんな招待状を渡すのは初めてなの♪あなたが第1号よ♪」


「え、てことは百華さんって友達いないの?」


「そういうことじゃないわ。あなたは特別よ。先日のこともあったし気分転換にね♪」


「じゃあ高杉とかも誘っていいのか?」


「あまり大人数で来られるとセキュリティやプライバシーに引っかかるから、今回はあなただけで来て欲しいの」


百華さんの残念そうな顔を見て

俺は仕方なくその招待を受けることにした

このことはご内密に、とスーツ男から言われ

そのままスーツ男四人に囲まれ連れて行かれる

その間色んな奴が通りかかりヒソヒソ話を始める

違うんだ皆・・・決して俺は何かやらかしたわけじゃない

だからそんな荒んだ目を向けないでくれ・・・・


俺はスーツ男に車に乗せられその横に百華さんも座る

これは確かリムジンって車だよな・・・・

夢焦がれた車が今乗れてるなんて

だが喜びよりも恐怖の方が多いのは言うまでもない

しばらく走ってる間百華さんの世間話を聞かされ

いつのまにか家に着いた

やはりでかい。うん。でかい(語彙力半減)

百華さんはそのまま俺を連れて行き

玄関のドアの横の手型を承認してドアを開ける

しかも上下に開くドアだった

何このドアすごくハイテク


「ちょっ、今のすげぇ!かっけえじゃん!」


「そう?ドアだけで驚くなんて子供みたいね」


「いや、これは男の心をくすぐるって!早く入ろー!」


「うふふ、本当に子供みたい」


家に入るなり、色んな部屋を見せてもらった

さすが神宮寺財閥というべきか

俺の男心をくすぐるものが大量にあった

おかげで俺のテンションは上がりまくる

そして最後に百華さんの部屋に入った

いかにも女子高生のお金持ちみたいな部屋である

色々キラキラしてて眩しい


「紅茶を入れてくるわね。あ、炭酸の方がいい?」


「おう、炭酸の方にしてくれるとありがたい」


百華さんの気遣いを遠慮なくもらい

俺は炭酸をぐびぐびと飲む

百華さんをチラッと見るが

さすがお嬢様。素晴らしい姿勢だ

正直俺とは天と地の差がある気がする

そういえばこの人・・・・


「ちょいと質問なんだけど、なんで俺と友達になってくれたんだ?」


「何その質問?まるで私が友達になってくれない人みたいじゃない?」


「いや、そういう訳じゃ」


「あなたが名前を気にして友達が少なかったことは知ってたわ。だから私が支えなきゃなって。でも結城さんと付き合ったって聞いたからどうしようか迷ってたんだけど、キッカケがあったからついね♪」


キッカケとは多分、昨日百華さんが言った

「何思ってるの、もう友達じゃない♪」

という言葉なんだろうが

まぁ、結果オーライじゃないか?


「俺友達高杉しかいないから、正直感謝してる。ありがとう」


俺がそう述べると

百華さんは一瞬頰を赤らめたがすぐに戻った


「えぇ♪どういたしまして♪」

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