第5話『キラキラしたお節介』
「あれ?雲母じゃん。今日はやけに早いねぇ」
「あぁ八千代?弟が早めに起こして来たから仕方なく」
金華山雲母、20歳。大学生
とにかくキラキラした子に育ってほしいという
バカな親の発想でこの名前をつけられたと聞いた
昨日の弟、恋愛のデートを見てたら
昨日は全然眠れなかった。これはただの言い訳である
バレーの朝練終わりの佐藤八千代は
なぜかこっちをジロジロ見ている
「なに?なにかついてる?」
「ん?目にクマがついてるからどうしたのかな〜って」
「え、そんなのついてる?完璧な美貌が台無し」
「そこまで完璧じゃないと思うけど(寝付けなかったのかな?大変だねぇ)」
「心の声と実際に出してる声逆よあんた」
「ごめんごめん、どうせその弟くんのことでしょ?」
「な、なんでわかるのよあんた!」
「(いや、それしかないでしょ)なんか弟心配なの?」
八千代にそう言われ、私は考える
運動も勉強も家事全般もほどほどに出来ていた弟
それでも私には全て勝てなくて
それをネタに色々可愛がってたというのはある
正直、あのデートを見て成長したなって思ったのも事実
「雲母って、弟くんに関してはストーカー気質だよね」
「失礼ね!私は・・・・その・・・・あれよ、心配なだけっていうか、いや、別に寂しいとかそんなんじゃなくぅぅえぇっとぉ」
「あはは、雲母ツンデレ隠しきれてないよ〜(弟くんのことそんなに好きなんだな〜)」
「悪かったわね・・・・」
「そうだ、彼氏作ればそれも晴れるよ。付き合ってあげる」
「えぇ!?私、あんたとそんな関係になれないわよ!」
「いやそういう意味じゃないよ?」
彼氏・・・・かぁ、そんなのいたら苦労しないわよ
確かにラブレターは頻繁にもらうけど
どれもこれもタイプじゃないってゆうか
釣り合わないってゆうか
男子はあまり興味ないのよねぇ
「手伝うよ彼氏作り、私も駅とか巡ってみたいし」
「え、あんたと二人きりで出かけるの?」
「言い方考えなよ、雲母がいればむさ苦しく男子が群がるかなぁって」
「笑顔でさらっと恐ろしい事言うわねあんた」
「じゃあ早速放課後行ってみよ!善は急げー!」
「あ、ちょっと話は終わってないわよーー!」
八千代に強制的に駅に連れていかれ
私はため息をつきながら歩く
「もー、アイドルがそんなんじゃいけないんだぞ〜」
「あんたのせいでしょ、そんな簡単に見つかるかしら?」
「雲母がいれば百人力だし!大丈夫だよ!」
「あんた何気に私利用して自分の彼氏見つけたいだけでしょ」
私だけじゃなくても
別に八千代も見た目が悪い訳じゃない
なので道行く道の男子のほとんどは二度見をしてくる
はぁ、八千代も練習があるってのに
なんでこんなことしてるのかしら
周りを見てないせいもあって
誰かとぶつかってしまった
「あ、ごめんなさい」
「すんません」
パッと見た外見、喋り方、この人・・・・
よく恋愛といる高杉君って子じゃない
「確か恋愛の友達の・・・・高杉君だっけ?」
「あ、そうっす、てことは金の姉さん?初めまして高杉暎です」
「いつも弟がお世話になってます、姉の雲母です、こっちはー」
私はここまで喋って振り向くと
いるはずの八千代がどこにもいない
まさか、と思いケータイを見ると
『相手それでいいんじゃない?私練習あるの忘れてたから二人きりで頑張って♪」
あいつ逃げやがったぁぁぁぁぁぁぁ!
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