「Never ends」

第1話 夢 (プロローグ)

東北にある一軒家に住む下平春樹はロード全日本チャンピオンである

父を持つ平凡な高校生。

平凡に日々が過ぎていくことを苦痛に感じ、抜け出したいと考えている。

誕生日プレゼントとして渡されたクロスバイクとともに学校に登下校する毎日。

毎日違う道を行き帰りするのが彼の密かな楽しみだった。

学校での生活は何も面白くない。

ましてや入学早々、これといった友達ができるわけもない。

日々が淡々と過ぎていった。

入道雲が大きくなっていた夏のある日。

彼の元に一通の手紙が届く。

中にはフランスへの旅行券と

父からの手紙が入っていた。

中には、

(春樹、お前に見せたいものがある。

フランスに来てくれ。)

という短い文章だった。

なんで見せたいもの見るために

わざわざフランスまで行かなきゃならねーんだよと

思いながらも春樹はフランスへと旅立つ。

フランスはパンやフルーツで有名な国だ。

おそらく見せたいものはそのへんか、

それともフランスで買った別荘か。

しかし彼が見たものは全く違った。

彼が見たものは…

ロードレースだった。

彼の父が走るところを初めて見た。

その姿に彼は釘付けになった。

父が海外の企業と提携して初の試合。

父が出場する試合は「ツール・ド・フランス」。

世界で一番大きなロードレースだった。

沢山の色とりどりな選手がいるなか、

彼は父の姿を目で追っていた。

父が世界の舞台へと初めて挑戦している姿を見た彼は

ある決意をする。

「いつかここで…走りたい…！」

蝉が鳴き、晴れ渡る空が広がる日だった。

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ワァーーーーーーーーーー！！！！！

「皆さん！ご注目ください！！！！

ただいまフランスではロードレース、

ツール・ド・フランスが行われております！！！

一年に一度の世界で一番大きなロードレース！！！

全世界1億人が見守るなか…

ただいま先頭を走るのは日本人…

誰が日本人がツール・ド・フランスに通用する日本人が

いると思っていたでしょうか…

先頭を走るのは日本「Never」所属一年目の…

下平春樹選手です！！！！！！！！」