第339話
「まずは道を作ります」
魔力が鈴の音を鳴らすように収束していき、その力が高まるたびに音が巨大になっていく。背中に生えた6枚の翼は、大気中に存在する精神エネルギーを残らず食い尽くして私の力へと還元していく。
「一点集中貫通モード、聖光砲撃(セイクリッドブラスター)!」
打ち出した増幅版の魔力収束砲が王城の壁を消滅させ地面を消し去り地下に存在する迷宮や神代遺跡を軒並み破壊していく。
「くっ、感知された?でも……」
私達の魔力収束砲を受け止めれた感じが杖の先から伝わってくるけど……。
「負けるかああああああ」
さらに力を入れた途端、アウラストウルが展開していた防御壁を貫いた感触が手元から伝わってくる。
「いきます!」
私はそのまま背中の翼から魔力を放出して推進エネルギーに変える。
そしてそのまま、魔力収束砲が破壊しつくした通路を飛翔し降りていく。
わずかな時間の後、巨大な広間に私達は到達していた。
そこは私が見たことある光景、つまり軍事実験センターの姿が存在していた。
「――――――おのれ……何者だ?」
瓦礫の中から現れたのは12歳の時のユウティーシアによく似た金髪の女。
「貴様は一体何者だ?」
アウラストウルスは私を見ながら問いただしてくるが、私の視線は後ろのレオナに向けられていた。レオナの姿は以前、見かけたときと比べて殆ど変わってないように見える。
「レオナ!迎えにきた」
私の発言に、精神の調停者たるアウラストウルスはその表情に苛立ちを見せた。そしてすぐに表情を変える。
「なるほど、貴様。まさか生きていたとはな……だが、その姿はまさか……そういうことか。いいだろう、レオナ!こちらも神衣で対抗する」
「ですが、あれはクサナギ殿しか無理な「うるさい!貴様の中には神衣をした際のデータが残っているだろう。それを使えばいいのだ」」
私の前でレオナは、アウラストウルスと神衣を行う。
その姿は、以前の私がレオナと神衣した時とまったく同じであった。
「これで草薙友哉、貴様と互角だ。そしてここに神格エネルギーを使えば貴様をはるかに超える力を発揮する事も不可能ではない!」
アウラストウルスが、黄金に光る核心を飲み干すと神衣化したレオナの紫電を纏う刀が巨大化していく。刀の大きさは5メートルを超えたあたりで止まり、周囲には紫のイカヅチが迸っている。
(ユウティーシア様、あれは理を破壊する力です)
「わかってる。だが、今は正面から戦うわけにはいかない!相手の攻撃をいなす」
巨大な雷神が私達に解き放たれてくるが、それを展開した翼の斥力で弾く。弾いた間に近づいてきたレオナ・アウラストウルスのが雷切を振り下ろしてくるが、それを杖で受け止める。
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