第272話

 リメイラールは行政セントラルでも10本の指に入る戦闘員で貰えるポイントも多いらしく、いくらでも購入していいよと言われたけど遠慮して上下下着20着程にしておいた。

 次に向かったのは洋服店でこれは現代、地球に近いデザインをしていた。主に購入したのはワンピースとスカートとチュニュク。次に購入したのはブーツとサンダルと靴が数足づつ。

 最後に向かったのはコートとか小物に帽子を扱う店舗だった。魔法帝国ジールの北に位置することもあり寒いと聞いていたので寒冷地用のオシャレな手袋と帽子とコートを数着購入。あとはリボンをいくつか購入した。


「結構、購入したわねー」

 とリメイラールが言ってるけど俺にはこの世界の文字が読めないから欲しい物ある?と聞かれて選んだのを購入してもらっていただけでデータだからそんなに料金はいってないと思うんだけどどうなんだろうか?


「結構高いんですか?」

 おれの言葉にリメイラールは頭を振る。


「そんな事ないの。500万キャッシュほどかな?」

 その数字がどのくらいの数字を差してるのか俺には分からない。


「リメイラールさん、一か月一人に行政からはどのくらいのポイントが配られてるんですか?」

 俺の言葉にリメイラールがしばらく考えた後に


「そうね20万キャッシュ程かしら?」

 それって25か月分のポイントを今の買い物で使った事になるんだけど大丈夫なのだろうか?


「大丈夫よ、私達みたいな戦闘職は本当に人数が少ないから年間1億キャッシュ貰ってるから!」

 ――――――桁が違う。リメイラールさんはセレブさんだったのか。それにしても戦闘職か、儲かるな……俺も戦闘職で働けばセレブなんじゃないか?ここに居れば面倒な婚約話も全部無くなるし皆、WIN-WINな関係なんじゃないだろうか?


「そうなんですか。そういえば戦闘職になるのって資格が必要なんですか?」


「たぶん無理だと思う。だって、ユウティーシアさんは対新核兵器って細胞構成の音素に書き込まれてるから……」


「書き込まれてるから?」


「セントラルにバレたら、自我が芽生えるような兵器なんて存在しないから実験場に送られて解体分解されちゃうかもね!」

 明るく俺に言ってきたがそれだけはマジで勘弁してほしい。俺はリメイラールの紐でいいや。買い物を済ませて待っていると黒い洋服を着た草薙と赤いツナギを着たアレルが近づいてきた。


「おお、ずいぶんと印象が違うね。なんか階級で貴族だけの俺と違ってユウティーシアちゃんからは本当の貴族ぽい雰囲気を感じるよ!その白いサマードレスと白い帽子にピンク色のリボンがアクセントだね」

 そりゃ元、公爵家の貴族ですし……。


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