第271話
「それで進化学実験センターのあった大陸が消滅して精神エネルギーが星全体を汚染してるという事ですか?そして精神エネルギーに汚染された人類には先がないという事ですね?」
「おお!ユウティーシアさん。すごい呑み込みが早いね!まるで最初から知ってるみたいだね」
リメイラールが俺の頭を撫でながら言ってくるがそれだけ説明されれば誰でも分かるだろう。それよりも問題が、今までの話を統合すると俺が今いるのは……神代の時代の可能性が非常に高い。
「あの、リメイラールさんや草薙さんが使っていた魔法は何なんですか?」
俺は彼らが使っていた魔法の方にも興味があった。俺が使おうとした魔術や魔法はまったく発動しないのに彼らの魔法だけが発動していたからだ。
「え?ああ……そうなのね。これを見てみて!」
リメイラールが、空間から2メートル近い杖を取り出した。俺がそれに呆気にとられていると……、
「これはね、ブレスレッドの効果なの。物質を量子レベルで分解して再構築できる物なの。でも生物は、法律で禁止されてるけどね」
つまり、空間魔術に属するアイテムボックス系の魔術ではないと言う事か。
「それでね、この杖は端末(デバイス)って言うんだけどね、行政から許可が下りた戦う事が出来る人だけに渡されるの。この杖を持って使用したい魔術名称を言うだけで機械が勝手に判断して魔術を使ってくれるの」
「それって……魔術なんですか?」
「ううん、魔術って事になってるけど一応物理現象だね。君を直した魔法だって細胞修復を行っただけだしエアリアルブレードを使ってるアレル君だって唯の位相の反転と隔離だからね」
「そうなんですか。――――――でも草薙さんが使ってたのは魔術じゃないんですか?ほら詠唱ぽいのしてましたよ?」
俺の言葉にリメイラールが少し困った顔を見せてきた。
「あれはね……草薙君があの方がカッコいいだろって言って、いつもやってる事なの。ほら、あの黒いローブが草薙君のデバイスなんだよね?暖かい目で見てあげてね」
「……」
70歳を超えても厨ニ病を発症する俺を考えると、何と言うかすごい居た堪れない気持ちになった。
翌朝、俺とリメイラールを載せたエアカーはアフラニスカの街並みの中を走りショッピングモールに足を運んでいた。リメイラールから洋服を作るように言われたのだ。いつまでも人の服を借りてる訳にもいかないし俺は二つ返事で了承した。
ショッピングモールの各店内は、量子立体映像と呼ばれる技術で作られた触れるし重さもある映像で商品の質感が確認出来た。手作りでブラとかパンツを作ってた頃と比べてすごく質感もフィット感もよく色々と下着を購入してもらう。全て質量データを購入するらしく、行政から配られる質量ブレスレットで配給されるキャッシュと言うポイントを作って生成できるらしい。
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