第230話
さて、ようやくこちらに危害を加えた言質が取れた。でも母親が居る前でそういう事をするのは良くない思う。まさかの息子が悪事に手を染めていた現実を見て普通の母親なら怒るか気絶するか放心するかのどれかだ。ほら、ネクロの母親であるイリスとか放心してるし。
「くそ、こうなれば仕方がない。ベルドやつを斬れ!」
ネクロの言葉に、体を支えていたベルドと呼ばれた騎士は腰からブロードソードを引き抜き俺へと振り下ろしてくるが
―――キィィィィン
と言う音と同時にその刀身はいつの間にかベルトと俺の横まで移動していたレオナの手刀により両断されていた。
「は?」
「え?」
ベルトとネクロは起きた現象を理解出来なかったようだ。俺にはレオナが極薄く圧縮した氷を手に纏わせてベルトの刀身を斬り飛ばしたのを見る事が出来た。
class:女祭騎士
name:レオナ
Level:181
HP:7887
MP:98719
STR:92
DEX:198
CON:72
WIS:63
INT:71
CHA:27
神衣の影響からなのかレオナのステータスとかが人間離れしてるな。刀身が断ち切られた音に気がついた近衛兵達がテントの中に入ってくる。
「聖女様!どうかされましたか?」
入ってきた騎士は6人、公国陛下との話したあとに増員された近衛兵の数は8人で実質10人がこのテント周辺を警護している。そのために侯爵は人数を集めたのだろうがそれが無駄に終わったようだな。そもそも公国の近衛兵を配置してるところに武力でと言うのは短絡すぎる。病で考えられなくなったのだろう。
「ネクロ殿がやられたのですか?」
近衛兵が確認してきたので俺は聖女が置いていった魔道ベルを取り出すとそうですと先ほどの話し内容を全て語り証明していく。
そしてすぐに侯爵ネクロと母親であるイリスさんはテントから近衛兵の手によって連れ出されていく。やれやれ、時々こういう手合いがくるからな。そして品性公平と善意を前面に押し出して活動してる以上、彼らのような人を面倒だからと治療するわけにはいかない。多少問題が起きようときちんと対応することが肝心なのだ。
「レオナご苦労さまでした」
「はい。ですが、あまりご無理はされないようにしてください」
「大丈夫です」
俺は、宰相家を敵に回したことに幾分か困ったことになったと思った。
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