第214話

されるが俺の魔力量で使えば神級魔術を超える魔法になる。そんなもので強化されれば騎士達の肉体は通常の肉体強化魔術が2倍程度だとしたら俺が行使すれば100倍近くにもなる。


「おお、なんだこの力は!」

「武器が軽い!」

「鎧も軽いぞ!」

「信じれん!あの神兵の動きが遅く見えるぞ!」

「これがリメイラール様の祝福か」


「さあ、英雄の皆様。いまこそ奮い立つのです!」


オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!


俺の言葉に扇動されるように武器を持って前線に突っ込んでいく騎士達を見て俺は薄く微笑む。チョロイなと……。


「クサナギ殿……」


レオナが何か言いたそうな顔をしているが気にしないことにする。


「さあ、レオナ。これから忙しくなりますよ?」


そう主に聖女アリアと勇者が文句言いにきそうだ。患者もこれから来るし忙しいのはこれからなのだ。



―――30分後経過


「ヒール!」


「すまないな、クサナギさん」


「いえいえ、これは全てリメイラール様からの信託ですから皆さんのご無事を祈りますわ」



―――1時間後


「ヒール!」


「これが神の力なのか?それなら今までの聖女のヒールはなんだったのだ?」


「これは聖女だけの魔法ですのでアリア様が悪いわけではありませんわ。アリア様は前線で指揮を執ってるわけですから」


「さすがは聖女様」


―――2時間後


「この子が目が見えないのですが、やはり戦いに加われないと診てはもらえないでしょうか?」


ふむ。そろそろ来ると思っていたがようやく噂が噂を呼んで戦闘職以外の町の人まで来たか……。


「とんでもありませんわ!リメイラールさまは確かに!!神兵と戦う者の治癒をと信託を私に与えましたが私はこの力を全ての方へ平等にすると言う志を持っています。たとえ、それが神の意思に逆らうことになりこの身が業火に焼かれようと困ってる方を救わないで何が聖女でしょう!」


「聖女クサナギ様!」


婦人の方は涙を流しながら手を合わせてきている。そしてその子供に手をかざし


「ヒール!」


脳、神経、眼球の細胞を再構成し細胞修復を行う。


「どうでしょうか?見えますか?ゆっくりと目を開けてくださいね」


俺の言葉に子供は頷くとゆっくりと目を開けていく。まぁ魔法で修復したからいきなり目を開けても問題ないのだがそれだと情緒がないというかなんというか……。


「見える!見えるよ!お母さん!!」


「ああ、カルネ!聖女様ありがとうございます。ありがとうございます。このお礼はどうすれば?」

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