第191話
「ぐふえぶぁ」
何かを発言して錐もみしながら廊下と水平に飛んで行き柱を大理石の柱を数本叩き折りながら止まったようだった。俺はゆっくりと近づきながら中級魔術を唱える。きっと勇者って言うくらいだから丈夫だろうしHPと魔法抵抗値も高いだろう。
「ファイアーランス」
俺の言葉と同時に音速を超えた物質化された炎の槍が勇者が倒れた場所へ突き刺さり爆発を起こす。ふむ、頭の中で魔法式を組み込む。その際に魔法式が与える影響数値を少しづつ弄ることにする。
「ファイアーランス!」
次に放たれたファイアーランスは2本に分かれていた。なるほど、複数の魔法式ここか?ふむふむ
「ファイアーランス!!」
10本近いファイアーランスが勇者が飛んでいった場所を爆撃していく。ふむ、なるほどな。まぁ俺としても婚姻話を有耶無耶にしてくれた勇者や聖女には文句はないんだが、俺の知らない所で物事を進められるのは気持ちいい事じゃないんだよな?だから手加減はするがきっちりと落とし前はつけさせてもらう。
「ふぁいあああああああああああ」
通路いっぱいに生成された鉄の槍。
「らあああああんすううううううううう」
数百に及ぶ鉄の槍に炎がまとわりつき一斉に周囲の壁を溶解し柱を蒸発させ勇者が居たと思われる部分を完膚なきまでに破壊し尽した。
「はぁはぁはぁ……」
視線を後ろに向けるとそこには勇者コルクが立っていた。ただすでに満身創痍の状態であり両手が折れており鎧の大部分が剥がれ落ちていた。
「し、信じられない。予言とはまったく違う。もっとお淑やかで我々を守護する戦の女神と聞いていたのに……何故、私達にこのような事を……ガハッ」
血を吐きながら何か言ってるがそんなのは俺の知った事じゃない。そもそも体は女かも知れないが心は男だぞ?お淑やかなんて物は1%も存在してない。そもそもアポイントも無しで拉致を慣行するような奴らを何故、この俺が守護しないといけないのだ。
「そうですね」
俺は近づきながらヒールをしてコルクが俺に回復させられた事に驚いた所で顔面に拳を打ち込む。コルクは床を転がっていくが俺はそこに追撃のファイアーランスを打ち込む。
ズドドドドドド……連続したファイアーランスの爆撃は勇者コルクの体を宙に舞わせその身を躍らせる。それを見ながら俺はいまだに彼が腰から武器を引き抜いていない事に驚きを禁じ得なかった。
俺との戦力差がこれだけあるなら普通は武器を抜くはずだろう?俺ならたとえウサギが相手でも抜いている。
「どうしたんだ?」
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