第169話
巨人が俺たちを脅威に思ったのが近づいてくるがこちらとしては好都合だ。
投擲された光の槍を雷切で切り飛ばしそのまま巨人を頭上から切り裂く、断面にはウォーターランスになる前の水が付着していき最後には雷切が纏っている数十億ボルトの電流により巨人は焼き尽くされ崩れ落ちた。
刀である雷切を鞘に収めた瞬間、体の力が抜けて俺は地面に倒れこんだ。そして俺の横には体が再生されたレオナが倒れていた。
「こ、これは……意識が……」
初めて使った力に耐えられなかったのだろう。
パステルやアリーシャが近づいてくるのが見えるが俺の意識はそこで闇に飲まれた。
「クサナギ様!クサナギ様!」
名前を何度も呼ばれた事でようやく目を覚ました。
どうやらアリーシャに膝枕をされているようだが体中に力が入らない。
「アリーシャ?みんなはどうなったんですか?」
俺は気になったことを確認する。
「パステルも、レオナも無事です。それにコボルトさん達は私たちの前から最初消えた時のようにまた消えてしまいました」
「そうですか……」
ガーディアンと言ってたくらいなのだ。あのステータスで巨人と戦うことができるということは特殊な強化を施しているのだろう。もしかしたら治癒でもさせてるのかもしれない。
「一度、お礼をしにいかないといけないですね」
俺のために戦ってくれたのだ。御礼をしないとだめだな……。
「クサナギ様、それがですね……」
なんだ?アリーシャが突然沈んだ声になってしまったが何かあったのだろうか?
「おーい。クサナギ、起きたのか?ダンジョン埋まっちまったけどこれ掘り起こすの大変だろうなー」
は?今、なんて言った?迷宮がダンジョンが埋まったって聞こえたんだが?
ある程度、魔力が回復したこともあり震える足で立ち上がるとパステルが立ってる方へ向かっていくと綺麗に入り口が土砂で埋まっていた。
しかも、雷切の電撃の影響からなのか石が熱せられていてマグマのように煙が立ち上っている。
そこでグランカスが俺に冒険者プレートを渡すときのセリフを思い出した。たしか問題起こすなよ?みたいな事を言ってた気がした。
「ど、ど、どうしましょう?」
俺は3人に振り返って呟いたが返答はなかった。
2時間後、俺は衛星都市エルノの総督府会議室にいた。
あの後、迷宮入り口で巨人と戦ってたのを見た門番が総督府に報告。騎士団を召集し海爵と共に現場へ到着した後、ダンジョンが埋まったことにショックを受けてた俺と3人の女騎士を保護したのだった。
「クサナギさん、マジで困りますよー。大事な収入源なんですよ!どうするんですかー!」
俺の前に座ってるのは新しく総督府に任命された元奴隷商人のヘポイだった。
マジで困りますよーと言われても俺としても困る。というか何でいつも俺が悪い事にされてるかまことに遺憾である。
「ヘポイさん、よく聞いてください!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます